【18】休日の足マッサージ(ルドガーの場合)
※TOX2連載の時間軸の番外編。
※簡単に言うと、リエが疲れている従業員の症状を物理的に改善させる話。
※今回、足のマッサージを受ける人物はルドガーです。
※マッサージの描写に関しては関連情報等を参考にしているため、正確な専門知識ではありません。
そのため、おかしな点があるかもしれないのでご容赦ください。
*** ***** ***
「うーん…」
「ルドガー、どうしたの?」
その日、エルは相棒の一人(とエル自身が主張する)であるルドガーの様子が気になった。
時折、足を手で擦ったりして眉を寄せたまま唸っている。
「このところ、戦闘や体力関係の仕事が多かったからかな…足の疲れが取れていない気がする」
「それまずいかも! パパが言ってたよ、体のどこかが『調子よくないな』って感じたらムリしちゃダメなんだよ!」
エルの言う通りだ。
「このくらい大丈夫だ」と症状が軽い時に侮ってしまうと、さらに具合を悪化させてしまう。
幸いにも今日は休みだ。
湿布を貼って、料理の時以外はあまり動かずに様子見しようか…と考えていたその時だった。
「ルドガーさん、何かありましたか?」
買い物から帰ってきたリエが、不思議そうに尋ねてきた。
理由を話すと、リエは「まぁ…!」と目を大きく見開いた。
「ルドガーさん、失礼ですが…足を診させて頂けますか?」
「えっ?」
「足の状態次第では、ルドガーさんに暫くの間は外回りの仕事を控えてもらう必要があります」
大袈裟だな…と思ったが、リエから真剣な眼差しを向けられてその発言を出すのを躊躇った。
「よ、よろしくお願いします」
「はい。それでは動かないでくださいね」
ソファーに腰を下ろしたままでいると、リエが落ち着いた口調で指示をしていく。
まずは、両足の靴下を脱いで履いているズボンを膝のところまであげた。
すると、ルドガーの右足をリエが両手で慎重に持ち上げる。
「今から指で触れていきます」
「あっ、はい…」
学校に通っていた頃、怪我をした時に保健室に行った事がある。
誰かに足を診察してもらうなんて久々だな…。
ささやかな思い出を振り返っていたルドガーを現へ呼び戻したのはリエの声だ。
「ルドガーさん、痛い所があったら遠慮せずに言ってくださいね」
「分かりました」
リエがルドガーの足の状態を診察しているその様子を、エルは興味津々に観察している。
「ルドガーの足、だいじょうぶそう?」
「今のところ痛みはないけど…」
すると、足の裏を触っていたリエがこう診断した。
「足の裏が固くなっている…老廃物が溜まっていますね」
「固いとまずいの?」
「ええ、足は身体の重要な臓器に繋がる神経が集まる場所だから。
調子が悪いと、身体全体にも影響を及ぼしてしまいます」
リエからの分かりやすく説明を聞き、エルは「ええ~!」と驚きを露わにする。
「ルドガー、どうしよう!?」
「エル、そんなに慌てなくていいよ」
動揺しているエルに、ルドガーは苦笑してしまう。
「エルちゃん、大丈夫よ。今からマッサージをするから」
「マッサージ?」
「そう、ルドガーさんの足はマッサージをすれば、症状が良くなるから安心してくださいね」
リエがふんわり笑って、エルが落ち着くように説明した。
そのおかげで、エルはほっと胸を撫でおろした。
「それではマッサージの準備をしますので、ルドガーさんはそのままお待ちください」
「エルも手伝う!」
「ふふふ、お願いしましょうか」
リエとエルがリビングルームを離れると、ルドガーは足の裏をそぉーと覗く。
(うわっ…かさかさしてるよ)
リエの指摘通り、足の裏は知らない間に固くなっていた。
一部分が乾燥しており、ケアをしなくてはいけない…とルドガーの目から見ても分かるものだ。
(マッサージって、テレビで見かけるツボ押しなのかな…)
先日、昼のバラエティ番組で有名人がマッサージを体験する特集を見たのを思い出す。
巷ではリーゼ・マクシア流の健康ツボ押しマッサージがじわじわと人気が出ている。
痛みに挑戦する派と、気持ちよさを体験したい派で好みが別れるが…個人的に痛いのは勘弁してほしいと思った。
「お待たせしました」
リエとエルが戻ってきた。
リエは大きめの洗面器を持っており、エルは白いタオルを数枚運んできた。
「まずは、足の裏を綺麗にしましょう」
そう言うと、リエは置いた洗面器には湯が入っていた。
ルドガーの右足を洗面器の中へつける。
湯は熱すぎず、ぬるくもなく…丁度いい温度だ。
「ルドガー、左足も!」
エルから言われ、下を見るとミニドラ七体がもうひとつの洗面器を運んできた。
置かれた洗面器に左足を入れると、周りにいるミニドラ達が任務が成功したと言わんばかりに万歳したり、ハイタッチしている。
…なんとも微笑ましい光景だ。
「はぁ…」
「どんな感じ?」
「うん、いい感じ」
お湯のおかげで、足が末端からゆっくりと温まって心地良い。
その感情が顔に露わになっていたのか、リエが微笑ましそうに見つめている。
そして、準備していたタオルを持つとこう告げた。
「さて、そろそろ拭きましょうか」
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