色々噺(その他)
【携帯機種はhosabu】
「そろそろ作り直してもらおうかな」
リエは、ロビーで携帯をみながらポツリとつぶやいた。
向かい側に座っていたアクセルがその携帯をみる。
外見は、かすり傷がついたりしてその形態が一昔前の古い機種のように思えた。
「作り直すより、買い換えたほうがいいんじゃねえか」
「うーん・・・でも愛着がありますから」
使い慣れているのか、リエは手放したくなさそうだ。
「前々から聞きたかったんだが、それってどこかの店で買ったやつなのか」
「いいえ、エクレシアが所有する携帯は、全部ほさ部の青猫さんがつくっているんです」
意外だった。
だが、今思えば、携帯機能に荷物を収納する機能や普通に電話が普及していない異世界でも使用できるのだから納得できる。
「娘や他の人達は機種を定期的に変えているみたいですけれど、まだまだ使えるのに勿体ないと思って…」
「つーか、ドラえもんってすげー…。携帯までお手製かよ」
二人が会話を交わしていたその頃…ドラえもんは困っていた。
理由は…対面に座る強面のイタリア人男性がガンつけてくるためだ。
「うぉお"お"い! 聞いてんのか!」
「は、はい…」
後ろで壁にもたれるように立つ銀髪の男性が大声で怒鳴りつけてきた。
ドラえもんは、今日ほどついていない日だと思った事はない。
コゼットが長期出張でいない上に…異世界の暗殺集団が突如あがってくるとは考えていなかった。
すると、口を閉じていた赤眼の男…ザンザスが懐からバサッと大量の紙幣の束を机に放り投げた。
「いくらだ?」
「あのですね…こちらの携帯は一般の方には非売品ですので」
「…ぁあ"?」
「きさま、ボスの御好意を踏みにじるつもりか!」
「そんな…睨みつけられても、こちらは携帯販売店ではありませんから!」
側近であるスクアーロとレヴィが、あからさまに脅し交じりで睨みつけてきた。
ドラえもんは、条件反射で飛びあがってソファーの後ろに隠れてながら言い返す。
「ドラちゃーん…このままだとボスの怒りが頂点に達しちゃうわ、私達の命まで危なくなっちゃうの…だ・か・ら、携帯ちょうだい♪」
ルッスーリアが可愛らしくおねだりする。
「きもいぞぉおお」と外野が叫ぶ声が聞こえるが、ドラえもんは敢えてスルーした。
「仰る事は分かりますけれど…」
「じゃあ、売れ」
「ですから! この携帯はエクレシア専用の物なので、一般の人達には売る事ができない決まりになっているんですよ」
「てめぇ…」
掌がコォオオと赤く光りだす。
徐々に部屋に熱がこもり始め、ドラえもんは慌てた。
「だぁあああ! 結局最終手段に移すのか!」
「うぉお"おおい! お前が最初から従えばよかったんだよ!」
「ドラちゃん、今なら間に合うわ! さぁ、ボスに携帯を渡してちょうだい。ついでに、カナンちゃんの携帯番号とアドレスもつけるといいわ。
さもないと…私達まで塵になっちゃうわ! いやーん!」
「早く帰ってきて―――! コゼットさぁああん!」
あわや、事務所が黒焦げになる寸前のところで、コゼットが帰宅した事で難は逃れた。
同時に、新たな問題が勃発する事になるのだが、それはまた後日談となる。
【おわり】
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