色々噺(その他)


【青猫さんの年賀状②】




12月30日…どうにか大きいわんこ、もとい定春に食べられた分の年賀状も刷り直して、

作業を進めていくドラえもん。


銀時と神楽…それから後からやってきた新八も手伝って、予定よりも早めに年賀状を送れそうだ。

だが、物事は時折すんなりとうまく運ぶという訳でない…。



「あのさー、前々から気になってたんだけど…」

「なんですか? 銀さん」


「ドラえもんってどんだけ知り合い居るんだ?

この万冊ありそうな束みると、すっげー途方もなく感じるんだけど」



そう言いながら、銀時はどっさりと置かれている年賀状の束の山を遠い目でみつめる。



「まあ、ロボット学校時代の友人や居候先、他の世界で知り合った人とかいろいろですね」

「学校…あんたにも汗と涙と甘酸っぱい青春時代があったのか」


「なんか言い方が癪ですけど、僕の世界ではロボットは誕生したら自動的に

育成学校に通う仕組みになっているんですよ」


「ロボットの育成学校かー。だったら、ドラえもんと同じタイプのロボットが…」



新八は、脳裏にネコ型ロボットが授業を受けたり、遊んでいる光景が浮かび、

なんか微笑ましいな…と顔を緩ませる。

対照的に、神楽の脳裏には、ネコ型ロボット同士が拳と拳で殴り合ったり、

バイクでブイブイ暴走しているシーンが浮かんでしまう。



「必ず、学校ではツッパリ上等な奴が一人か二人いるよな~」

「ドラえもん、お前パシリにされてなかったアルか? そんな部類っぽいネ」


「どんな想像してんですか! あんた達は!」



新八が突っ込む一方で、ドラえもんの頭の上に少し影が出来る。

神楽の言っている事、少しだけ当たってるな…と昔の切ない思い出が脳裏をよぎった。



「そうそう、こんなの見つけたヨ」



神楽が、酢昆布を口にくわえながら少し古めのアルバムを取り出した。



「あっ、学校の卒業アルバムだ」

「わぁー、みてもいいですか?」



新八が興味ありげに尋ねると、ドラえもんは「いいですよ」と快く了承した。

アルバムを開くと、初めの頁に集合写真があった。

それをみた銀時が一言…。



「いやー、うん…あれだな。サトシの所のジョーイさんとジュンサーさんの家系図だな」

「どんな例えですか…。一応、言っておきますけど、同じ工場に作られてこういう同じ姿になるんですよ」


「マジで! 1年中ドラえもんが大量生産されてるの!?」

「いっぱい売っても売れ残りがでてきそうね」

「途方に迷って派遣村行きか…世知辛いな~」


「どんだけ発想を飛躍してるんですか! そもそも売れ残りってなんだよ! 傷つくよ!」



「あれっ、次の頁は違う集合写真が…」



新八が意外そうな表情で、その頁を指さした。



「ああ、僕は途中で別のクラスに編入したんですよ」

「今度は、猫だけじゃないね。犬とかチキンとかいるアルよ」



写真の中にあるにわとり形のロボットを「チキン」と名指しして、ジュルリと涎を垂らす神楽。

この場に、その同級生がいなかった事が幸いだろう。



「つーか…同じ兄弟第2弾もいるぞ」

「兄弟ではなくて、親友です」



写真に映る、ドラえもんと同じタイプの猫型ロボット。

しかし、一枚目の同型とは異なり、服装が個性的だ。

カウボーイ風の保安官、アラビア風の魔術師、サッカーボールを頭にのせている選手、

薔薇を口にくわえた闘牛士、カンフーの達人…などなど。



「一気に国際色になったね」

「今までが地味すぎたんだよ」


「地味って言わないで! 本当に地味に傷つくから!」


(……なんか、他の写真見たら、すっごく目立ってるな、この同級生達。

言っちゃ悪いけどドラえもんが本当に地味にみえてしまう)



銀時と神楽の毒舌に、少し泣き状態で突っ込むドラえもんをみながら、

新八は内心、本音を漏らしていたのだった。





【おわり】


◇◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇


【あとがき】


年賀状編の後半の小話でした。

上記で書かれているドラえもんの同級生ですが、「ザ・ドラえもんズ」の事を

どれだけ知っている人がいるでしょうか…(笑)


後々、小話でも登場させたいです。



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