色々噺(その他)


【青猫さんの年賀状①】




12月の末頃、ほさ部では、プリンターがフル稼働していた。

ドラえもんは、白いはがきの束をプリンターにセットして、来年の年賀状を刷っていた。

なにせ、親しい友人は勿論、彼の場合は知人が多い故にたくさんの人々に年賀状を送らなくてはならないのだ。


印刷された年賀状は、可愛らしいウサギがうちでの小槌を持っているイラスト。

右下には、小さなドラ焼きの判子が押されている



「よし、ソラ君のところはこれでおわり!

次はロボット学校時代の友達に…何してるんですか? あなた達は…」


「こんにちはー、えっと…雨がザアザア振っているから雨宿りを」

「銀ちゃん、違うよ。猛吹雪で交通止めくらったから雪宿りアルね」


「どっちにしても、なんで無断で事務所に入ってるのか聞いてんの!

勝手に入り込んで、僕のドラ焼き食べるなぁああ!!」



いつの間にか事務所に無断入出して、隠しておいた菓子を無断飲食する万屋の面々に、ドラえもんはほえた。



「…いやー、今、手っ取り早い仕事探してる訳で、ぶっちゃけ来年までここで臨時で雇ってくれない?」



モグモグとドラ焼きをほうばる坂田銀時。

理由を聞けば、年内に少しでも滞納している家賃を払うために稼がなくてはならなくなったそうだ。

この季節、どこもアルバイトは店員オーバーらしく、年末関連の仕事の依頼もないらしい。



「…そう言われても、人手は足りていますから」

「年賀状大変そうだなー、これ手伝うから食事つけてくれ。デザート付で」


「人の話聞いてよ! 年賀状は僕だけで出来ますから!」

「無理すんな、青ダヌキ。三人寄れば饅頭の知恵、遠慮せずに甘えればいいアルよ」


「誰が青ダヌキだぁああ!」



ちなみに、三人寄れば饅頭の知恵ではなく「三人寄ればもんじゅの知恵」である。

何を言っても二人は引き下がらないので、仕方なく手伝ってもらう事にしたドラえもんであった。



(それじゃあ、この年賀状の束を輪ゴムでとめてください)

(よーし、まかせろ…あっ)


(ダァアアア、折角まとめていたのがバラバラにぃいい!)


(定春、それ食べちゃダメよ)

(ぁああ、8時間かかって刷った僕の年賀状がぁああああ!)





【つづく】

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