徒然猫日記・小話



【スイーツタイム】




マスターゼアノート―――俺のマスターであり、ある目的を達するために策を巡らす野心家だ。

そんなマスターに、伴侶がいる事を知ったのは俺の本体の『あいつ』をマスターエラクゥスの下へ届けた後の話だ。

その伴侶…リエは、見た目からマスターとは年がかなり離れている。

しかし、マスター曰く「彼女の方が年上」らしい。



リエは変わっている…。

常に、マスターと一緒に居る訳じゃない…週に2回会う程度だ。


マスターの野望には否定的な意見なのに、マスターは彼女に手をかけようとしない。

マスターエラクゥスとも交流している…というか、あの二人が仲睦まじく、談話している回数の方がはるかに勝っている。


その様子を遠目から、歯軋りして嫉妬心を湧き起こしながら見物するマスターは、俺の目から見ても呆れてしまう。

マスターが御執心のテラを含める弟子三人とも仲が良い。


この間、『あいつ』…ヴェントゥスと会話していた。

それを隠れて見ていた…俺。



―――気に入らない。

弱いあいつと話をして何が面白いんだ。


―――別に、リエの事なんて興味ない。

決して、羨ましいとかではない。断じて違う!

俺にそんな感情なんてものは皆無だからな…。


確かに、リエがつくる料理はまずくない…俺に話しかけたりする。

ハッキリ言わせてもらうと迷惑だ…!


あいつが傍に居ると…こう…ムズムズするというか…胸に変な感覚が纏わりつく…。

だから…離れていた方が…



「ヴァニタス君、どうしたの?」

「…!? あっ……」



でも…リエが……


「苺をたくさんいただいたの。今日はタルトとケーキ、どちらを食べたい?」


ニコリと微笑む姿は……嫌じゃない。


「タルト…」

「うん、タルトだね。早速つくるから手伝ってもらえるかしら?」


「……わかった」


今日の苺タルトは、うまかった。

別に、リエがつくったからじゃないからな…フンッ!





【おわり】



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【あとがき】


昔の日記に掲載していた小話です。

さりげなく、ツンデレなヴァニ君。


マスターゼアノートは「伴侶」扱いしていますが、あくまでリエはお手伝いさんとして彼やエラクゥスの所を往復している感じです。

こんな感じですが、またまとまったら別枠に掲載したいですね。



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