デミックス・リサーチ
みんな、久しぶり…
13機関のムードメーカー(自称)のデミックスです。
この企画、覚えている人…いるかな?
いたら、凄い記憶力いいと思う。
簡単に言うと、ボスに頼まれて「エクレシアを調査するように」ってレポートをまとめる事になりました。
これまで、7人のエクレシアの事はまとめたんだけど…
あれから、色々と別の任務とか大事件とかあって、それどころじゃなかったんだよ。
いやぁー…俺も頭の中からすっぽりと記憶が抜け落ちていたんだ。
「デミックス。メッセージがきてるよ」
シオンから、俺宛に「手紙が届いた」という知らせを聞くまでは…
*** ***** ***
デミックス氏へ
インタビューの日程をこちらで決めさせて頂きました。
こちらの気が変わらない内に、早く来てください。
日程と約束の時間と場所は、別紙に記載されています。
同行者は一人まで可能。
日程変更や体調不良による欠席を申し出るのは、二日前までにする事。
もしも、無断で約束をすっぽかしたら、どうなるかは…分かっているな?
それ相応の
リーシェ・シフォン・クローチェ
*** ***** ***
「いやぁあああああ!? なにこれ、脅迫状!?」
「手紙だよ」
「…後半部分、威圧込めてるな」
絶叫するデミックスの疑問に近い言葉に対して、シオンが小首を傾げながら答える。
同じく、電報を読んだアクセルが苦笑いしつつ「あいつらしいぜ」とコメントする。
「おぉ…のぉ~…よりにもよって、りっちゃん先生からくるなんて!?
俺のインタビューの事なんか、頭の片隅から塵となって消えていたと思ったのに…」
「覚えててくれたなら、インタビューを許可してくれたって事じゃないか」
ロクサスはポジティブに捉えるべきだと言うが、デミックスはそんな気になれない。
(どうしよう…何を聞きゃいいんだろう)
前回の加藤ダンの時よりも、緊張がマシマシになっている。
リーシェと対面する事は…まだなんとかなる。
問題は、リーシェにとってどんな質問がセーフであり、アウトになるのかだ。
(うわぁ…迂闊に変な質問できないじゃん)
デミックスは頭を両手で抱えながら、悩みの渦に巻き込まれる。
悶々と思考するデミックスをよそに、ロクサスは「そういえば…」と話を続ける。
「この間、リーシェさんが本を買っているところ見たよ」
「どんな本?」
「料理本だった。何か作りたいものでもあるのかな?」
そんな素朴な疑問に関する少年少女の話し合いの傍ら、デミックスは目をウルウルさせながら
両手を合わせて祈るような仕草で、アクセルに懇願した。
「…アクセル~…いっしょについてきてくんない?」
「悪いな。俺、明日から長期出張に行かなきゃならねえんだ」
「うそーん! じゃあ、ロクサスは…」
「俺も、アクセルと一緒に任務だからムリ」
同行をやんわりと断られて、「のぉ~…」とデミックスは大理石の地面に両手をついて項垂れる。
そんな先輩の様子が心配になったのか、シオンが腰を屈めて声をかけた。
「デミックス、一人で行きたくないの?」
「うん、りっちゃん先生…怖いから」
「そんなにこわいかな? リーシェさん」
シオンが不思議そうに首を傾げる。
「りっちゃん先生はシオンが嫌いじゃないからだよ」
「えっ!? デミックス、嫌われてるの…?」
「分かんない…」
リーシェは、人の好き嫌いはハッキリしている方だ。
実際、アウト判定を出した対象者(13機関のメンバーの場合、ゼムナスとマールーシャ)に対しては
言葉と態度の節々に嫌悪感と敵意が込められているからだ。
デミックスは、ボスと後輩のようなアウト判定は受けていないとは思っている。
でも、なんとなく粗雑な対応をされている。
嫌いではないけれど、好きでもない…微妙なラインにいるようだ。
「あたし、ついていこうか?」
「えぇ? いいの…?」
「うん、その日はちょうどお休みだから」
思いがけない形で、サポートしてくれるメンバーが現れた。
デミックスはぱぁああ…!と顔を明るくした。
「ありがとう! マジでありがとう!」
「どういたしまして」
「デミックス、シオンは休み返上で働くんだから、報酬ぐらい用意しとけよ」
「タダ働きさせるんじゃねえぞ」というアクセルの苦言に、デミックスはブンブンと何度も首を縦に振る。
「うーん、何を買ってもらおうかな?」
「できれば、高くないものでお願いします」
「あー、値切ってる!」
「遠慮せずに良いやつをねだれよ」
ワイワイガヤガヤと話し合う四人。
そんな彼等の様子を見ながら、サイクスは軽く溜息をつきつつ、事務作業を続けた。
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