徒然猫日記・小話


※今後のマギ連載につながるある人物視点の日記

※マギと他の作品のクロスオーバー要素有

※アルマトラン編のネタバレ含むので閲覧注意





この世界に生まれ出て早700年が経過した。

魔導士として神から力を授かり、私は自らの命を長らえる術を行使し続けた。

―――『使命』のため。


私は未来が見える訳ではない。

いかに魔法技術が高度になろうとも、未来を予知する魔法は現れないだろう。

だが、そんなものは必要ないのである。

世界の道筋に目を凝らし、法則性と連動性に気が付く事ができれば、未来に起こる如何なる事象も必然となり得る。


それに気づいたのは私だけである。

この世界に居る知的生命体の中には、他に気づいた者はいるかもしれない。

だが、私以外のそれは他の気づけない者達と同様、この世界になんら影響を与える事ができずに消えゆくのみだろう。

私に気づいた事に意味がある。

神の力を行使できる私が気づいたという事は、私が神の側に立ったという事だ。

これは驕りではない、絶対的な孤独である。

『特異点』…自らが世界の誰とも異質な存在に成り果てた孤独は、誰一人分かるはずもない。


最初は神を恨みもした。

だが、同時に私は気づいてしまった。

この世界の全ての事象が必然であるならば私が存在するという事自体も必然であるのだと。


私だけでない。

この世のすべての存在、すべての事象は使命を帯びている。

それは神であっても同じ…神の使命とは何か?

それは創造…神は世界を司り、世界を創り、世界を動かす事が使命である。

神の側に立った私の使命もやはりそうだった…もはや私の選ぶべき道は一つしかない。


私は寿命と戦い、使命を遂行した。

異種族を意のままに操る『塔』を立て、多くの魔導士達の頂点に立ち、あらゆる計画を着手していった。


多忙を極める日々を過ごす中、ある日、私は運命的な出会いを果たした。

一人の神の卵と遭遇した。

神の卵(エクレシア)―――神が魔導士とは異なる形で力を与えた分身。

かつて、何体かのその種族と接触したものの、いずれも私と思想が合わずに仇なしたり、争いの耐えぬこの世界からでていってしまった。

その神の卵は変わった性格の女性だった。

私が多数の知的生命体を虐げている人間の頂点だと暴露しても、変わらずに一人の知人として接してくれた。


彼女もまた気づいていた。

…この世界の『運命』を。

幾度となく遠回しに質問を繰り返してみて、それが判明した。

そう、私と同じ『特異点』なのだ。

表に出さずとも、私の心は歓喜に満ち溢れていた。

絶対的な孤独を理解し合える『友』と巡りあえたのだと。




【“D”の回想録】




彼女は、儚げな雰囲気である半面、内にとてつもなく強い意志を秘めた女性だ。

相反する要素を兼ね備える彼女は、この私ですら想像できない何かを計画しているように思えてしまう。

使命とは別に、私の好奇心と独占欲を大いに駆り立てる存在。

私は既に決めていた。

大いなる計画の中へ、彼女を参加させる事を。




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