【10】Le reencounter de la nuit étoilée
「…『深遠のなぞ それは女神の贈り物 われらは求め 飛びたった』 『さ徨い つづける心の水面にかすかなさざなみを立てて』…」
「…《LOVELESS》第一章」
「詳しいのですね。」
「昔、毎日聞かされたのでな。 イヤでも覚える。」
少し欝陶しそうに話すイザヤに苦笑するリエ。
それでもイザヤの表情は安らかで、懐かしんでいた。
「…思い出深い方なのですね…」
「…まぁな…」
「…イザヤさん…」
「ん?」
「この本、お借りしても良いですか?」
「…ああ、構わない。 かなり痛んでいるから、読む時は気をつけてな…」
「はい! あ、そうだ!」
「?」
「宜しければこの本、読んで下さい。」
リエは一冊の本を取り出し、差し出した。
「…《KINGDOM HEARTS》?」
「はい! オススメの本です!! イザヤさんも気に入ると思います!」
「…そうか…」
イザヤは本を受け取り、表紙を見つめる。
「では、夜も更けてきましたし…私はこれで…」
「大丈夫か? 幾ら何でも、こんな深夜に女性が一人で帰るのは危険だ。」
「大丈夫です! 私、こう見えて強いんですよ!!」
「しかしだな…」
「大丈夫!」
「!」
「…大丈夫…絶対何とかなるよ…」
胸に手を置き瞼を閉じるリエ。
「アンタ…」
「“絶対 大丈夫だよ。”」
「…分かった、そこまで言うなら今回は見逃す…」
ハァ-とため息をつき、呆れた表情をするイザヤにリエは笑顔を見せる。
「フフッ! イザヤさんは本当に優しいのですね! 貴方のような殿方に誘われたら絶対に断れないです!」
「…断ってるじゃないか…」
「まぁ、それは置いといて。 本、確かにお借りしました!」
「ああ、こちらも確かに借りたぞ。」
本を見せ確認を取るイザヤにリエは笑顔を見せる。
「ではまた、お逢いしましょう!」
リエは左手を差し出す。
「……ああ…」
イザヤは立ち上がり、リエと握手した。
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