【10】Le reencounter de la nuit étoilée



「…日頃の貴方は、いつも気を張り詰めていらしたので…心配していたのですよ?」

「…そうか…」


「否定しないのですか?」


しゃがみ込み、イザヤの顔を覗いた。



「…ああ… 常に気を張り詰めておかなければ、生きては行けない世の中だからな… 同僚というか、腐れ縁というか… 身近な人物に言われたよ。

“いつも気を張っていて疲れないか?”とな…」



簡潔に説明すると懐から煙草を取り出し、それを吸う。


「…煙草、お体に悪いですよ…」


煙に不快感を覚えたのか、リエは眉を寄せる。



「忠告どうも。 だがこればかりは止められない。」


微笑で返事を返すイザヤにリエは再び笑顔を向ける。


「あら…?」


リエの目に留まったのは一冊の本だった。


「本を持って来たのですか?」

「ん? ああ、叙事詩だがな。」


「見せて貰っても良いですか?」

「構わないぞ、オレのじゃないからな。」


イザヤは横に置いてある本を手にするとリエに渡す。

リエは本を手にするとまじまじと表紙を見つめた。


「…随分と痛んでいますね… 先程、“オレのではない”とおっしゃいましたが、お知り合いの方の本なんですか?」

「…まぁな…」


「…《LOVELESS》…」


リエは題名を呟くと表紙を開き、ゆっくりと読んだ。

その間、イザヤは言葉を発することなく、ただ星空を見上げながら煙草を吸っていた。



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