【1】秘密のお茶会


ゆめことリエが行ってしまった後で、デミックスはラクシーヌの顔から手を離して泣き出した。

ラクシーヌは痛む頬を撫で、デミックスを木の上から蹴り落とした。

蛙が潰れたような声を上げたデミックスが、膝を抱えて芝生を抜きながら再び泣き出す



「(TдT)あぁああああ…………どうすんだよこれぇえええ……!!!!」

「あんたが悪いんじゃない!!!!私までゆめこに誤解されたじゃないの!どうしてくれんのよ!!」

「なんだよー……元はと言えばお前が悪いんじゃん……折角最近ゆめこといい感じだったのに……お前のせいだよ!」



「ふん……どうせあんたは空気なんだからショックも何もないわよ」



ラクシーヌの苛立ちの言葉を聞き、デミックスが無言で立ち上がる

鋭い瞳でラクシーヌを睨むデミックス。



(やばっ…!空気は禁句だったわね………)



しかしラクシーヌの性質上、訂正するわけにも行かない。



「お前、喧嘩売ってんの?」

「まさか~。本当のことを言ったまでよ」

「本当………空気読めないにもほどがあるよな、ラクシーヌって。買ってやるから、ほら。降りてこいよ」

「上等じゃないの」



ラクシーヌはそう言いながらデミックスに飛び蹴りを食らわせる。
肩にラクシーヌのブーツのヒールが食い込み、デミックスは一瞬たじろいだが、すぐさま降ろそうとしたラクシーヌの足首を掴んだ。


「チッ………」



ラクシーヌは舌打ちをし、ナイフを取り出した。
デミックスに斬りかかる寸でのところで、背後の気配に気付き振り返る。



「ごめんなさい……ちょっとデミックスさんとラクシーヌさんに言いたいことがあったので戻ってきたんです」



殺気立った視線を自分に向ける二人に、リエはキョトンとしている。



「何だよ」

「何よ」



「ゆめこちゃんが好きなんですね、お二人とも」



リエはピリピリとした張り詰めた空気にいるというのに、そんなものは関係ないと言わんばかりに、デミックスとラクシーヌに笑顔を向けた。

二人はそんなリエに戸惑っている



「それが何?」

「なんか文句あるわけ~?」



挑発するようなラクシーヌの態度にも、リエの笑顔が崩れることはない



「いいえ、文句なんて一言もありません。私がお二人に伝えたかったのは『素直なのもいいですが、それだけじゃ駄目ですよ』ということです。私はありのままのお二人が大好きですよ」



ゆめこは柔らかい笑顔を浮かべながらそれだけ言うと「失礼します」と、二人に頭を下げて背を向けた。

ゆめこの去った庭で、ラクシーヌとデミックスは立ち尽くしていた。



「なぁ………」

「なによ………」

「俺、ロリコンじゃないよ……」

「分かってるわよ。………それにしても……気が抜けたわ。何なのあの子は?」



「……『大好き』って言われちゃった…どうしよう俺、……惚れそう」



「(; ̄д ̄)単純すぎるにもほどがあるって………」



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