【7】La gira con No.2


その後あれよあれよと話は進み
数日後には再び川中島へと合戦に向かう予定となった

「この世界の戦は止まらない…けれど、この戦いで武田が勝てば…戦局は大きく動く」

この世界の月は美しく輝く
ともは庭の池に映る偽物の月を見つめて呟いた
呟きを耳にする者は誰もいない
一部の見張りを請け負う忍以外は、近しい未来にある合戦のために体力を温存しているのだろう
ともは顔を上げて真っ暗な空に浮かぶ月を見つめる

「上杉公やかすがには悪いけど…勝たせてもらうよ」

今頃、同じように月を見上げているのだろうか
上杉公、その月、心に刻みつけておけ








数日後
川中島武田軍本陣では、滾る獅子の如くすさまじい覇気を発する虎がいた

「うずくのう…謙信」

その覇気に、周りのものは畏怖し、その覇気を出す者が大将であることを誇りに思った

「わかっておるな、幸村…手出し無用じゃ!!」

仲間すら威圧するその気合いに、虎の若子はひるまずに進言する

「しかし相手は上杉謙信
毘沙門天の生まれ変わりともいわれる神速聖将…一筋縄では……」
「だからこそだ!」

虎は己が武器を地に打ち付け立ち上がる

「このワシが、ただひとり宿敵と認めた男
奴と刃を交えずしてなんとする!!」

虎…武田信玄が見据えるはまだ見えぬ敵将の姿

「ワシは負けん!!燃えるなぁ幸村よ!!」
「お館様の雄姿…この幸村、楽しみにしております!!」

そして武田信玄は味方の将に向けて声をあげる

「征くぞっ!!」
    オォォオオオオオオ!!!

その咆吼はまさに獅子
進む先には白き武士

「…始まっちゃったねぇ」

木にもたれ呟く青年も主のために静かに動く



「さて…と、私たちも征こう」

その様子を見届けたともはシグバールと二人武田軍の中に混ざりにいく
二人の衣装は独特だった
ともは巫女衣装を戦闘がしやすいようにアレンジしたもので、シグバールも神主衣装をだいぶ着崩したもの
二人は神であることを演出していた

「この服は動きづれぇんだってハナシだ…」
「我慢して。元はと言えば神だとか名乗ったシグバールが悪い…違う?」
「へいへい」

二人は軽口を叩きながらも、向かってくる軍勢にひるむことはなかった

「テメーら!神が二人もついてるんだ、存分に奮え!!!」

シグバールが叫ぶと、それに呼応するように兵士達が叫ぶ
士気は、確実に上がっていった

「…やるね」
「こういうのは得意なんだってハナシ」




まもなく、川中島の戦いは武田の勝利に終わる



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