【7】La gira con No.2


次々と仲間の忍が倒れていく
その光景に青年は驚くばかり
大方の忍を倒し、屍の中悠然と佇む二人が、青年を見て笑う


「どうした?こんなものかってハナシ」「ちょっと物足りないんじゃない?」


戦帰り、ということを抜いても、猿飛佐助率いる忍部隊は優秀で、そこらの武将に劣らないはずだった
それがこうした罠であったなら尚更

適わない

それが、部隊の忍頭である猿飛佐助の判断だった

「さて、君の主人に…会わせてくれるね?」

改めて青年の前に立って言うともに、青年は畏怖の念を覚えた








着いた屋敷に、迎えた赤い装束の青年
彼が、真田源二郎幸村

「初めまして、私はとも。彼は…」
「シグバールだ」

シグバールの名を、真田幸村は言いづらそうに何度も繰り返す

「私達は……う」

そこでハタと気づく
そういえば、なんと言って彼に近づくかを彼女は考えていなかったのだ
その様子に気づいたシグバールが、頭を抱えたい衝動に駆られながら言葉を発する

「俺たちは、まぁ所謂神様ってハナシ」

真田主従が訝しげな顔をする中、シグバールはルクソードに返し損ねたカードを取り出す
二人に見せるのはおどけたピエロのカード、ジョーカー

「いいか?よく見てろってハナシ。」

カードを小さく折りたたみ、宙に投げる
落ちてくるカードを掴んだと思えば、手を開いた中にカードは無く、二人は驚いた
笑いながら隣にいたともの耳元に触れると、そこから先ほどのカードが、折り目もなく出てきた

「な?俺は神だから、こいつを消したり、折り目一つなく現したりできるんだ」

偉そうに宣うシグバールのことを横目で見て、「神を名乗るなんて…」と小さく呟くとも
当の本人はそんな呟きどこ吹く風
真田主従が興味深そうにカードを眺める様を、笑いをこらえて見ている






「無礼な振る舞いをして申し訳ない…」

不幸にも、いや幸運にも、…二人を神だと信じてしまった真田幸村が二人に頭を下げる
猿飛佐助は既に立ち去っていて、この場には三人しかいない

「して…此度は一体何用でこの真田幸村に…?」
「ああ、そうだ…」

目の前には茶菓子と湯気を立てるお茶
和菓子の素朴な味を堪能していたともが、真田幸村の言葉に、思い出したように話し始める

「これから、川中島の戦いが始まる…違う?」
「そ、そうだが…」
「それにね、勝って欲しいの」

事もなく言うともに、真田幸村は僅かながら不快そうな顔になる

「…勘違いしておられるようだが、我ら、決して遊びで戦をしているわけにはござらん」
「わかってるよ。ただ、今度の戦で決着をつけて欲しいの」

だから…と言って一度茶を飲み干すと、ともは真剣な目を真田幸村に向ける

「私たちが、君の軍に入る」
「っ!!」
「そんなこと聞いてねぇんだけどってハナシ」
「ごめん、今決めた」

驚きに目を見開く真田幸村を尻目にシグバールはともに不満を言うが、ともはさらりと謝って済ませる

「そんなことをっ!神が味方など…!」
「あー、勘違いしないで欲しいな、私たちは君の軍に入るには入るけど、実質名前だけ」

神が味方した、なんて言った方が士気が上がる…違う?と小首をかしげて言うともに、真田幸村は何も言えなくなった



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