【6】changeling eyes (チェンジリング・アイズ)


 しかしそうとわかっても、事態は簡単に解決しない。


『だが、逆にファントムの能力を使うことで、リエ君の能力を誘発させるのも可能であると考えられる』


 そう解決策を提案したのは、ゼクシオンと共に事態解明にあたっていたヴィクセンだ。


『本当ですか!?』

『なんだ貴様! 私を疑うのか!』

『オーイ、ヴィクセーン。外見オレだけど中身違うよー。それは純粋かつ素の反応だよー』

『あ、ああ…。いや、そのようなつもりはなくてだな…』

『いやだからオレに言ってもしかたねぇっつの。リエ嬢はあっちあっち』


 リエの能力は、意図したものではなく偶然に起こってしまうものだ。
 そうとなれば、それを使って戻るのは不可能に等しい。
 しかしファントムの能力はそれと違い、意識して相手の精神を読む能力だ。
 となれば、今ファントムとなってしまっているリエがファントムの能力を起こせれば、もとに戻れる可能性は高い。

 しかしこれがまた、うまくいかないもので。


『で、リエく…じゃない。ファントム、お前はいつもどうやってあの力を発動させている』

『えっと…、何てか、目の筋肉をゆるめながら瞳孔を細める感じで…』

『は…?』

『おまっ…、何だそれは!?』

『ど、瞳孔を細め――』

『『リエ(さん)(君)も実践しなくて結構(です)(だ)!!』』


 つまりファントムは、自らの能力制御を感覚で覚えてしまっているわけで。
 それは「手の動かし方を説明しろ」と言っているのに似ているわけで。
 とどのつまり、状況は果てしなく、変わっていないということになるのだ。




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