【1】秘密のお茶会


リエに火傷を治癒してもらったゆめこは、何事もなかったかのように元気を取り戻した。

リエの入れた紅茶を受けとり、二人は職場の話題で談笑していた。



「ゼムナスさんって危険な人なんですね……薄々気付いてはいたけど……」

「そうでもないのよ?誰だって心の在りかは分からない。あの人たちだけ特別ということは無いの。心の在処や大切さに気付く人は少数なのでしょうね。心が無いと言っている彼らは気付いてないだけだと、私はそう思ってる」

「うーん……」



リエの話が難しかったのか、ゆめこはリエの言葉に首を傾げた。

リエはゆめこの反応から意味が理解できずにいることを察し、カップをテーブルに置いていつもよりも一層優しい声色で話し始めた。



「ゆめこちゃんのここでの生活は、楽しい?」



ゆめこはカップを両手で包み込むと、考える間も無く頷いた。



「はい!楽しいです!みなさんとても優しくて、……変だけどとても楽しいです」

「そうね、彼らもきっとあなたと同じように思っているはず。心が無いと言葉で言うだけでね」

「あ!」



ゆめこは、向かい合って座っているリエに向かって間抜けた声をあげた。
リエは突然のゆめこの間抜けた声に、思わず小首を傾げる



「心が無いってみなさんのことなんですね!……私、そういうの感じたことあまり…ないです。リエさんも同じなんですね!」

「ええ」



リエはゆめこの理解度に思わず笑いを洩らしてしまった。



「でも不思議ですよね~…同じ世界だけど違うなんて……」

「選択肢というものは常々変わっていくものなの。人によって選択肢が違うと思えば、同じ世界でも違う結果が出るのは当たり前。ということね」

「なるほど~!確かに納得です。リエさんってかなり頭がいいと思うんですが……」

「……ふふふ。そんなことないのよ」

「またまた、ご謙遜を……。私と同じくらいの年齢で悟りを開いているってすごいことですよ!」



ゆめこから尊敬の眼差しを受け、リエは苦笑した。



(そう言えば、ゆめこちゃんには何も言ってなかったっけ…)



「違うよ」

「何がですか?」

「私、あなたより年上なの。」

「そうなんですか?おいくつなんですか?」



ゆめこがそう聞くと、リエは真剣な面持ちで口を開いた。




「行間読んでも……聞きたい………………?(……聞くなよ?)」


「(; ̄□ ̄)…!!!!!あっ!……いえっ!!いいです!!!とっても素敵な年齢です!!!!」

「うふふふふ………」



後にバイト人Aは語る



「はい、………ええ。あの時ばかりは殺られるかと思いましたね…(ヘンナコエ)」



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