【6】changeling eyes (チェンジリング・アイズ)


「で、何故本人たちは黙っている?」


 そこでもっともな質問を繰り出すのは、ザルディン。
 その言葉通り、差異は有れど、やはり二人は所在なさげに佇んでおり。
 むしろその差異が、半端じゃないのだ。


「…………っ!」

「…えっと……」


 もう、これから先泥沼の人生だと言わんばかりなほど絶望的な表情と。
 どうしたらいいかわからない、けどこれは笑える事態でもない、という中途半端な微笑みと。
 しかもそれが、本来予測するならファントムがしそうな反応とリエがしそうな反応とまったく逆の反応であり。
 絶望的な表情はリエが、中途半端な微笑みはファントムが浮かべているわけで。

 全員がその瞬間、それが事実だと察することとなる。


「とりあえず、リエさん…ではなくファントムの話では我々の中のイメージを崩したくないそうですが…」

「「「…あー……」」」


 そこで、納得がいったとばかりな声を出す、シグバール、アクセル、ラクシーヌの3人。
 その視線の先には、あまりの事態に耐えられず椅子の上で丸まりながら泣き伏すデミックス。
 それと、ノストラダムスの崩壊予言でもされたように、組んだ手の上に頭を預けズッシリと落ち込むゼムナスの姿がある。


「…イメージを崩された結果が、アレ。というわけか…」

「…恐らくは」


 納得がいった、とばかりに頷く発言者レクセウスとその他全員。


「俺としては中々楽しいと思うが…」

「それは貴方だけだ、ルクソード」


 そして何気にこの状況を楽しんでいるギャンブラーに珍しくツッコミを入れるマールーシャ。


「だが、これは確かに由々しき事態だ」


 そこでようやく、事態を訊く側に回っていたサイクスが口を開く。


「体が入れ替わった状況では任務がこなせん」

「こんなときにも任務の話かこの仕事バカはぁぁぁあああ!!」


 途端、遥か下方の円卓中央から上がる怒声。
 見れば、とうとうツッコミの血が抑えられなくなったらしいファントム…ではなく黒い瞳のリエがハッと口を押さえていた。




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