【1】秘密のお茶会



二人の頭上に影が差し、カラカラと小さな音を立て、氷袋がゆめこの手の甲に乗った。

ゆめことリエは頭上の影の主を見上げる



「あらあら…」

「…………これ。とりあえず冷やしたほうがいいよ………」

「…あ、ありがとうございます……ロクサスさん」

「心配して見ててくれたのね。やっぱりここでも優しいわね、ロクサス君」



リエはロクサスに向かって笑いかける。ロクサスはリエが自分の名前を知っていることに一瞬戸惑ったが、すぐに顔を赤くして目を伏せた。



「そ、そんなんじゃない……。たまたま…ていうか偶然!通りかかって……ゆめこがあんたのこと見つめてて注意散漫なのがバカだなって………」

「………ごめんなさい」

「謝ることはないのよ、ゆめこちゃん。ロクサス君は心配してるの」

「………だからっ!別に心配とかしてない。」

「ふふっ」


「-……う…………治せるの?」

「ええ、治せるわよ。それと、やっぱりお茶は私が入れるようにするわね」

「うん………ありがと…」



リエに笑顔を向けられたロクサスは、はにかみながら人差し指で頬を小さく掻くと、その場から去っていった。



リエはロクサスの背中を温かい瞳で見送ると、「よし!」と言いながらゆめこに向き直った



「心配してくれる人がいるってね、幸せなことだよね……手、貸してみて?」

「ごめんなさい…折角来てもらったのに……情けないです」

「気にしないで。ゆめこちゃんの可愛い一面とロクサス君の素敵な一面が見られて嬉しいの。」



リエの優しい言葉に、ゆめこの胸はなぜかときめきを覚えた。



(……リエさん///一生着いていきます……)



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