【5】幸せな夢
ある日の夕方の事でした。
四歳位の小さな女の子二人が仲良く手を繋いで歩いていました。
「あっち?あっち?」
「こっち!こっち!」
一人はクリーム色の髪に碧の瞳。
もう一人は黒い髪に漆黒の瞳。
二人はお揃いの赤い服を着て、白いボンボンを揺らしています。
顔がそっくりで、彼女達は双子です。
「まだ?」
「もうすこし!…あ!」
二人が前方に見つけたのは、黒の長い髪を揺らめかせ歩く男性。
「「ユーリ!!」」
「…ん?なんだ、おまえらか」
ユーリは4年前の世界の脅威である星喰みを倒した影の英雄。
今は帝都の下町で生活しつつ、ギルド凛々の明星の一員として世界を飛び回っています。
「二人だけでこんな時間に外に出んなって言ったろ」
「ユーリさがしにきた!」
「しんぱいしてるの」
ユーリは双子を両腕で抱えると、家に向けて歩き出しました。
「あいつが?なら急いで帰るぞ」
「「はーい!」」
*
三人が家に着くと、双子はするりとユーリの両腕から抜け出し家の中に駆けていきます。
そしてお目当ての人物を見つけて、満面の笑顔でその人に抱きつきました。
「ママ!ユーリつれてきた!」
「えらい?えらい?」
「ふふ、偉いわ、二人とも。でも、いきなり居なくなったから心配したのよ?」
ごめんなさいは?と彼女が問えば、双子はしょんぼりしながら謝りました。
「あんま怒んないでなってくれ。二人も悪気があった訳じゃねえから」
「わかってる。…おかえりなさい、ユーリ」
「ん。ただいまセレス」
二人は双子見ているにも関わらず、おかえりのキスをします。
「「きゃーー」」
双子は頬に手を当てて恥ずかしがる素振りをします。
毎日のことなので、さほど気にしないのです。
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