【30】SF(少し不思議)な世界へようこそ



「サキちゃ~~~んっ!!!
お兄ちゃんは此処だよぉっ~~~!!!」


「サキさぁ~~~んっ!!!」


「サキ姉っ~~~!!!
何処にいるアルかッ~~~!」


「わぉ~~~んっ!!!」


歌舞伎町では万事屋一行が行方不明となったサキを探していた。

街行(ゆ)く通行人は何だ?何だ?と彼等を眺める。

---姿を見せないチルットはというと…


『…サキ…』


「…お主のせいではない…
気を落とすな…」


少し離れた場所で万斉が乗るバイクにて、雲の翼を折り畳み、休んでいた。

万事屋一行と万斉とチルットの間には距離があり万事屋一行が万斉に気づく事はない。

万斉はサキの捜索で疲れはてたチルットの翼を優しく撫で、労った。


『…そっちはどう…
金色の輪は見つかった…?』


縋るように見上げるチルットに、万斉は眉を寄せながら、小さく首を横に振った。


『…何なのよ、あの金色の輪は…
あんなの…
今まで見たことも無かった…』


チルットの悲痛な呟きを聞いた万斉はチルットの頭を撫で、空を見上げた。


「…やはり…
あの者に頼むしか他はないという事か…」


『?』


「ちょっと其処の鳥を撫でてるお兄さん。」


「『?』」


「お兄さんさ、ヘルメット被ってないね。
道路交通法違反だよ。」


白バイ隊員が万斉が停めていたバイクの隣にやって来た。


「大丈夫でござる。
拙者、頭固いから。」


「そーゆー問題じゃないの!!
規則なの規則!!」


「うるさいでござるな。
かてーって言ってんだろ。」



ゴッ!



「Σぶっ!?」


鼻に万斉の頭突きを喰らった白バイ隊員は鼻を抑えてしゃがみこんだ。

それを機に万斉はエンジンを掛け始める。


「行くでござるよ、ちぃ。
しっかり捕まってるでござる。」


『捕まるけどさ…
いいの?』


「問題ない。」


『知~らない。』


チルットはしゃがみこむ白バイ隊員に翼を向けるが万斉は構わない。

万斉はチルットを前に乗せて、バイクを走り出した。

白バイ隊員の制止する声が聞こえたが、彼等は走って行った。





…………
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