【29】きっと、私は後悔しない
【クロト=メグスラシル総合病院】…エクレシアの面々が不定期で勤めている医療機関である。
エクレシアは、【異世界観察】などの通常業務以外にも医療に関する仕事にも携わっている。
なぜなら、必要な取得資格に医療関係の仕事があるからだ。そのため、彼らの大半は医師免許を取得している。
通常業務でないエクレシアは、この病院で非常勤の医師として働いている。
世話しなく、患者の為に動き回る医師達…もとい、『エクレシア』の方々…
この病院に初めてやって来たソファーに座るツナギとキャスケットの男性…『シャチ』と、同じくソファーに座るツナギを着た
”ペンギン”と書かれた帽子を被る男性…『ペンギン』が、その光景を見て、目を丸くした。
『田舎者丸出しだな。』
「「Σうるせぇよっ!!」」
ハッ…!
鼻で笑うルカリオに、シャチとペンギンが突っ込んだ。
「何でお前はそんなに冷静なんだよっ!」
「お前初めて此処に来たんだよなっ!? そうだよなっ!?」
『あ~…煩い、煩い。』
ギャーギャーと騒ぐシャチとペンギンに、ルカリオは両耳を抑えながら言った。
『堂々としてればいいだけの話だろうが。』
「「Σおおっ…!」」
キッ!とシャチとペンギンを見据えて言えば二人は感嘆の声を上げる。
『…………(…の筈だっ、その筈だなっ!?)』
シャチとペンギンに気づかれないよう、胸を抑えながら心中で呟くルカリオ。
(……無理しちゃって…)
苦笑するのはシャチとペンギンの間に座っている腰まである深い群青色の真っ直ぐな髪と古代中国の高貴な女の人が着るような、
まるで天女のような服装がトレードマークの美しい女性…女性の名は『ユリ』…
生命(いのち)を司る女神、《ゼルネアス》…その人だった。
ユリは大きく膨らんだお腹を撫で、此処にはいない愛するヒトを想った。
「あれ…? そーいやベポは?」
「ピチューとミジュマルもいねぇぞ。」
キョロキョロと辺りを見渡すが三匹の姿がない。
「あの子達なら小児科の方へ行きましたよ。」
『お子ちゃま二匹と精神年齢がお子ちゃまの熊だしな。』
「高い高~~いっ!」
「Σうおぉおぉおっ!!!」
「Σたっけぇっ!!」
ベポは子供達を高い高いして遊び…
「ぴっちゅうっ!!」
「みっじゅま~~!!」
「鬼さんこちらっ!!」
「手の鳴る方へ!!」
ピチューとミジュマルは子供達と鬼ごっこしていた。
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