【21】Summer vacation!



「うん。あのさ、この間新しいゲーム買ったんだ。ホラー」

「はい…(出来ないのに?)」

「だけどさぁ、怖くって怖くって進めらんなくってさぁ…」


 ふんふん。と話を進める。
 つまり?


「今夜、ご一緒にホラーゲームしませんか?」


 それは至極真面目な表情の御誘いだった。
 もう、台詞の挿げ替えで結婚を申し込めるほどの。

 けど、リエにとってはお返しがそのくらいでいいよ、というファントム本人からの直々の言葉であり。


「……ぷっ」

「だ、ダメですか?」

「わ、っ、わかりましっ、った…」

「マジ!?」

「はい」

「絶対だからな! あと3ステージ分全部ね!」

「はいっ」

「それでさ。モチーフならたぶん早く作れると思うわけで………」

「ふんふん」


 ……それを最後に、再び二人は手芸歓談に徹していく。



 その日の夜。
 リエの贈り物とファントムのホラーゲーム大会により、機関の食堂は二重に騒がしくなったという。
 お陰で次の日はもちろん機関として活動できず。機関のまとめ役サイクスからゲーム没収が言い渡され。
 持ち主ファントムはもちろんのこと、続きの気になる数名からはブーイングと任務による忙殺の非難と悲鳴の雨あられ。


 行きずりに伸びた、ちょっとおかしな、騒がしい夏休みの話。




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