【21】Summer vacation!



「…はい?」


 食堂に直接つながる厨房内。
 そこで、小首をかしげる機関の良心、家政婦奥様、リエ・クローチェ。その人、である。


「分かるかテメェら! 昨今では夫婦共働きも幅広く広まりつつあり主夫と言う言葉も浸透しつつあると言うのに未だ根強く残る炊飯家人=女性というこの労働基準のない理不尽を押し付けた差別!」

「あ、あの? ファントムさん?」

「新生されつつある労働基準新法ですらその苦労性を見出していないあの断続的家業の苦労性と連続性!」

「嬢ちゃん、醤油無くなりそうだ」

「え、え? あ、はい…新しいのです」

「悪ぃな」

「最近のネット界ではひっそり奥様達によるネット著名と呼ばれる心労と苦痛の訴えすら発足されていもする! というのに政権はなんのその!」

「あのー、えっと……、サ、サイクスさん」

「ロクサス、シオン、ナミネ。さりげなくニンジンとピーマンを残すな」

「うっ」「だってぇ…」「…はい」

「え、えー…?」

「この苦労がわかるかぁ!!」


 ずばーん! と。
 そこでようやくネット発達の目まぐるしい中途半端未来人の魂の叫びがテーブルの一撃と共に木霊する。

 それはもう見事な、主婦代理の一言と言えよう。
 何せ本人は現実では主夫代理でもあるのだ。
 ただし指差された当のリエ本人はありえないほどの放置状態である。

 そんなファントムが、立ち上がってまで演説を行ってつまり何が訴えたかったかと言うと。


「よって、機関家庭主任・リエ奥様の休日申請を言い渡す」


 ずばん、と。食卓の面々に差し出されたるは一枚の書面。
 そのタイトル欄には『休日申請書(英語)』の文字が。


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