【1】秘密のお茶会


木の枝が地面に影を描き、風に揺られて小さな音楽を奏でる、そんな静かな昼下がり。
ラクシーヌは溜まりに溜まった書類をゆめこに片付けさそうと、ゆめこを探し歩いていた。

ロビーを見回すが、ロビーにはグラビア雑誌を膝に広げてニヤついているデミックスしかいない。

(あら?いつものゆめこなら、この時間帯はお菓子食ってるかゼクシオンと昼寝してるのに……。キモいから今話しかけたくないけど、こいつに聞いてみるか………)



「………ねえ、ゆめこ知らない?」

「知らない。なんか今日は友達とお茶会だとかで張り切って核兵器(※お菓子)作ってたよ。」

「(; ̄д ̄)知ってんじゃないのよ。つーか、友達って……ゆめこの菓子食えるわけ?」

「さぁ……おもしろ……心配だから見に行こうかなって思うんだけど」

「楽しんでるわね。私も付き合うわよ」

「さすが姐さん!まあゆめこには『邪魔しに来たら絶交しますから』って言われたんだけどね~。友達ってのがすげえ美人らしいから誘惑には勝てないんだよね」

「へぇ~……それよりも、あの子って友達いたんだ?だんだん気になってきた」

「だろだろ~?たぶん俺たちだけじゃなく、あのアホどもも行くと思うけど……バレないように覗きますか。俺、こういうのちょー得意♪」



デミックスが雑誌を閉じ、立ち上がった。



(ま、ゆめこにとっちゃ空気みたいなもんだしねアンタ)



ラクシーヌは言葉には出さずに心の中で頷いた。
もし言ったなら、黒デミックスにボロカスに言い負かされそうで、それが面倒くさいというのも理由のひとつであったわけだが。

そんなラクシーヌの心情には全く気付いていないデミックスがラクシーヌの横に並んだ。

ラクシーヌはデミックスから一歩離れる



「なんだよ……何離れてんのー?」

「別に離れてないわよ~?」

「………あー、あの雑誌?別に俺ロリコンとかじゃないから。だからと言ってお前みたいなタイプが好きなわけでもないし。黙ってりゃ結構好きなんだけど~……俺はやっぱりゆめこが……」

「あんたがロリコンだなんて、そんな事思ってないわよ。あと、お前の女のタイプなんか聞いてねーよ。黙っとけロリコン」

「(; ̄□ ̄)思ってんじゃん!!!!今本音出たよね!最後に本音出たよね!」




自分の性癖をものすごい勢いで否定するデミックスの声を聞きながら、ラクシーヌは廊下の窓に目を移し、空を眺めていた。



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