第6章:【青空と夜空の街】に残された手掛かり
巨大蜂は、その大きな躯とは予想を反して素早い動きで尾から針の矢を仕掛けてきた。
針の雨をかわしながら、カナンは舞う様に跳躍して双剣で斬りつける。
キンッ、ガチッ
蜂は、思っていたよりも甲殻が硬いようだ。
『これでもクラェエエエ!』
蜂は、回転するように身体を震わせる。
その地面には赤色の魔法陣が出現しており、火属性の精霊術が発動した。
「ブリザド!」
同時に、アンジールが氷属性の魔法を放つ。
矢の如くとびかう火の塊を、氷の刃が相殺する。
その間に、カナンは双剣から双銃にチェンジさせて疾走すると、蜂の背後を取って引き金を引く。
「フレアショット!」
気を纏わせた弾丸が、蜂の背に見事に当たり、爆発する。
ギャァアアアーと悲鳴をあげて、鋼体がボロボロと崩れていく。
間髪いれず、カナンは剥がれた胴体部分に対して集中的に弾丸を撃っていく。
『この女ァアアア!』
――――キィイイイイイン
蜂が超音波を出した事で、弾丸の軌道が狂う。
耳元を片手で押さえながら、連射していくが、蜂は防御壁を張る事で、攻撃をはねのけた。
…普通の弾では貫通しないようだ。
「まかせろ」
カナンと入れ替わる様に、大剣を構えたアンジールが上空へ跳躍する。
「閃空衝烈斬!」
空中で回転切りを繰り出して、薄い防御壁を破壊した後、蜂の顔面の左右を大剣で刻む。
呻き声をあげ、怯んでいる隙にカナンは詠唱を行う。
「神聖なる雫よ、この名を以ちて悪しきものに制裁を! 【ライトニングブラスター】!」
敵の周囲から魔法陣が現れ、電撃が放射状に放たれる。
ギィアアアアア
蜂は全身が感電してしまい、ところどころ黒焦げになり、地面に伏した。
「…やったか?」
アンジールが、倒れた蜂を目を細めながら観察する。
すると、ピクッと巨体が揺れるや羽をばたつかせ、空へ急上昇した
「まだみたいね…」
「しぶとい奴だ」
空高く上がり、勢いをつけてこちらへ急降下してきた。
「隙ダラケだ! このカトウセイブツどもがぁああああ!」
カナンとアンジールはそれを見上げ、各々武器を構える。
その時……猛スピードで突進してきた巨大蜂の軌道が大幅にずれた。
いや、正確に言えば―――
「飛天翔駆!」
軌道が“ずらされた”といった方がいいかもしれない。
…一人の少年によって。
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