【4】健康診断はいろんな出逢いがいっぱい!


健康診断事件(?)から三日後…。


食堂では、ファントムとリエがいた

知りたがりな少年少女三人と…アッちゃんとラク姐さんにその事件の事を話していた。

―――勿論、例の件は極秘でね。


離れた席で耳を立てている野次馬根性丸出しな奥さまファンクラブの三人は華麗にスルーしておこう。

ついでに、年長組は聞こえていても変な口出しはしないから、ソッとしておこう。


「それで…健康診断は延期になったのね」

「はい。後日またスケジュールが空いた時にいきます」


「病院って広かったのか?」

「めっちゃ広かったですとも…というか、あれは病院とはいえませんな。ホテルだよ」


「病院ホテルなんだー、すごいね!」

「しーちゃん、まんまの造語だね…うん」


最近、しーちゃんのつけるネーミングの感想に悩んでしまう俺。

すると、ナッちゃんがある質問をしてきました。


「ところで…担当した先生はどんな人なんですか?」

「あっ、リエさんの娘さんのリーシェさん…」


カランカランカランッ


俺が仮面先生の名前を口にした途端、遠くにいたフラミンゴカラーが食器を落とした。


「おや、マールーシャ…顔色悪いですね」

「すまない…。少々お手洗いにいく」


そう言うと、顔面蒼白なバラが少しよろめきながら食堂からでていった。

すると、一部のメンバーの背後に影が出現しており、如何にもみたくもないホラー映画を見た後、しおれてしまった感を醸し出している。

おいおいおいおい…どうしちゃったんだ!


「あー、…ファントムは、あいつのことまだ知って間もねーから分かんねえかもしれないが…」

「えっ? どうしたの? アッちゃん」


「今後、リーシェにあったら…気をつけて付き合えよ」

「ま、あんただったら『あいつ』の時みたいに上手くやっていけるだろうけどね」


アクセルが同情する眼差しで忠告し、それに乗じて、ラクシーヌが「せいぜいがんばれば」という退屈そうな感じで言った。

少年少女を除いた周囲の異様な反応と、上記の二人の発言…。

これからの情報を分析すると…リーシェ先生って実はすっごい怖れられている人なのか?

ファントムが思案していると、リエが苦笑しながらポンポンッと肩を叩く。


「リーシェは…ちょっと人の好き嫌いがはっきりしている子なんです。あっでも…大丈夫ですよ。ファントムさんならいい絆を紡げるはずです」

「えっとー、そうなれるといいっすね」


―――" 人の好き嫌いがはっきりしている "


ああ、確かに…と思い当たる言動が節々にあった。

そもそも、病院内で仮面を常時つけていた事がそれを意味していた。

あの先生は、誰にも表情を読み取れない様に仮面を外さなかったのだ。


―――内に秘めた「本音」を悟らせないために。



(それに…今回は、"俺自身"が先生と「正式」にあった訳じゃない)


リーシェと会話したのは、あくまで『リエ』の姿を借りたファントム。

つまり、ファントムとはまだ面識すらない赤の他人の関係なのだ。

あの時は、バレないようにひたすらリエを演じていた。

けれども…こう話を聞いていく内に、ある種の罪悪感と喪失感を覚える。


(…また逢う機会があったら、今度はこの姿でなかよくなりたいな、うん)


案外、リーシェの事は嫌いではないな…と感じていた。

ラクシーヌの言う様に、『あの人』で耐性がついていたら大丈夫そうだし…あんまり難しく考えない方が得策だ。

うん、何事もポジティブ思考が一番だ!



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