【4】健康診断はいろんな出逢いがいっぱい!


ファントムとリエが歩を進めていると、白衣を着た男性がすれ違い、通り過ぎようとしていた。

すると、リエが親しげに声をかけた。


「あらっ、ダン先生」

「えっ?」


「ダン」と呼ばれた医師は、突如見知らぬ男性に話しかけられた事に戸惑う。

だが、横にいるリエの姿をしたファントムに気付き、ファントムとリエの双方を見比べる。

そして…何か察したのか、口元を手を抑えて少し思案すると再度口を開いた。


「もしかして…入れ替わっていますか?」

「はい、大正解です!」


「……ということは、今はこちらがリエさんの姿をした知人という事か」

「どうも、はじめまして…ファントムです」


一瞬だけ驚いたものの、ダンはすぐに慣れたのか、二人に普通な感じで話しかけた。


「ファントムさん、こちらはダンさんです」

「はじめまして。リエさんから貴方の事は話を伺っています」


「あっ…そうなんすか。いやいや、リエさんにはいつもお世話になっています」


リエ奥さまは、自分の事をどんな風に話したのか!? 地味に気になって仕方がない。


「料理上手で討論バトルが得意だと聞いているんだが…」


…なんか、まともな自己紹介レベル。

まあ、リエさんが相手を傷つけるような事を言うのはまずあり得ないし、無難な説明をしてくれたようだ。

さらに話を聞くと、リエがこの病院の非常勤の精神科医であること。

ダンを含める他の仲間達も時間がある時に医師業をしていること……等々の裏事情を教えてくれました。


(そーいえば、リエさんの仲間って、この病院に現在進行形でいるのか?)


まあ、目の前にその一人がいるのだから、他にもいる可能性は大いにあるはずだ。

すると、ダンは思い出したかのように、リエにある事を伝えた。


「リエさん、コゼット先生が探していましたよ」

「あらっ、本当に! それなら急いで第2病棟へ行かないといけませんね」


「えっ? コゼット先生って?」


新たに浮上したドクターの名前に首を傾げるファントム。

リエは苦笑しながら耳元でそっと囁く。


「これから【私】を検診してくれる医師ですよ」

「……マジッすか!?」


今の俺は、あり得ない位大口を開けて素っ頓狂な声を出した揚句に、かなりのギャグ顔全開だろう。

その証拠に、ダン先生は額に冷や汗流して一歩引いていた。

かなりのダメージを受けたって表情から読みとれましたとも…すみません。



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