【3】独創Girlはチャレンジャー☆


―――不思議だ。

本性を知ったのが逆に良かったのか、ヴァンスさんと私は普通にコミュニケーションできるようになった。

ま、下手に自我を隠し通すと、後々関係を悪化させる事もあるしね…。

今回は、まあ結果オーライだ…うん!



「あの…こういう質問をしてもいいでしょうか?」

「なんだ?」


「リエさんのむ…たわわに実った桃をプライベートの時に堪能しているんですか!?」

「……お前、普段から際どい話題を赤の他人にも振るのか」


「ケースバイケースですね。あっ、でも大衆面前でそんな破廉恥発言するような変態ではありませんから!」

「少しは恥じらいを知れ」


「恥じらいくらいありますよ。この質問をするのだって、どんだけ勇気がいる事か…」

「そういう表情には見えんぞ」



あれっ、そういう顔しているのか…?

これでも、切羽詰まった空腹に耐えきれないプリティな子猫のような表情をしていると思うけど…。


『アハハ、それどころか…爆笑寸前のニヤニヤ顔になってるよ~。ねぇ、そう思わない? しゅーちゃん?』

『……回答しかねる』


なんですとぉ!?

…誰だよ、笑いながら人様の話に割り込む奴は…っていない?

首を左右にブンブンと振り回して、該当者を探すものの、周囲の客席には全然見当たらない。

あっ、ジジノート…まだあそこに居るんだ。

…なんか、すっごく殺気が全身からうねりをあげているけど、敢えてスルーしよう。

とりあえず、話に水差した奴はどこだ!?



『ここだよー、クルミちゃーん』



ふと、その声が聴こえた方向に眼を向けると、ヴァンスさんの所有している丈夫そうなショルダーバッグについているキーホルダーだ。

白百合を模した小さな花型の可愛らしいものと魔法陣の中心に黒曜石が嵌めこまれた神秘的なもの…。

この二つのキーホルダー…なんか、キーチェーンに似ているような…?


『その通りだよ』

「…あの、ヴァンスさん…そこのキーホルダーなんですけど、趣味ですか?」


きこえないきこえない…スルーしたいけど、やけに百合のキーホルダーが積極的に語りかけてくる。

口調から若い男性の声だが、どこか胡散臭い香りがプンプンする。


「ああ…気にするな。変な幻聴が聞こえるだろうが、無視しろ」


……私にその幻聴が聞こえている事を何故、御存じなのでしょうか、この人は。



『ひどいなぁ、ヴァンスが虐めるよ~。しゅーちゃん、酷いと思わない?』

『……返答しかねる』


『しゅーちゃんも冷たいな~』



もろ、会話内容丸聞こえ……しかも、もう片方のキーホルダーは女性のようだ。

白百合キーホルダーがなれなれしく話しかけても、そっけない…。

それ以前に、キーホルダーが、意志を持ってんのか!? これを剣に置き換えたら『運命の物語』に登場しそうだ。


『君って、意外と頭の中で、面白い事考えてるね…お腹痛くなりそう、フフフ』


しかも、こいつら、人の思考回路が読めるのか! 


『……このような特殊な思考の人の子は初めてみる』


なんか黒曜石のお姉さま(?)は、上から目線で、私の事を観察しているみたいですね…。

…やばい、これ以上、気にしていたら敗北感を味わいそうだ。

大人しく、ヴァンスさんの助言通りにする事にした。




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