【5】プレゼントはサプライズ的に!


「もしもし、アンジールさんですか?」

『ああ…普賢殿か』


二人目は、カナンの心友の一人、アンジールの様だ。

アンジールとは、ある意味『因縁』があった時期もある。

彼は、仕事仲間であるカナンに何をあげたのだろうか…。


「一昨日のカナンさんへのプレゼントって何を差し上げましたか?」

『カナンの…? ああ、『枕』だが…』


【枕】―――その単語を聞いて耳に疑った。

何故、睡眠のための道具をプレゼントにしたのか…?


「そういえば、カナンさん…クッション集めていたね」

『あいつはベッドがあっても、床で寝る変な癖があるからな…。少しでも負担をかけないためにも、枕を贈ってやったんだ』


…そういえば、書庫室で三日間調べ物をしていて、終わるや否や床で熟睡していた事がある、とプレザから聞いた事がある。

一瞬、倒れたのかと心配して駆け寄ったが、よだれを垂らしてスピーと爆睡しているのが分かるや、呆気にとられたそうだ。


『…ところで、何故プレゼントの件を尋ねてきたんだ?』

「ああ…うん、それはね…」


普賢が言いかけた時、ガイアスは反射的にガシッと彼の腕を掴んで首を左右に振る。

アンジールとは現在は、以前よりも険悪じみたものではないが、親しいかと言えばそうでもない。

あちら側が、今でも己にいい感情を持っていないのは俄かに感じている。

ここで、普賢が己の名を明かせば、間違いなくアンジールとの微妙な関係がこじれてしまう気がしたからだ。


「昨日、ジュード君達とあってね…カナンさんの誕生日の話題をして、今度会ったらプレゼントしたいと言ったんだ」


普賢はガイアスの意を察したのか、別の人を名前を借りて理由を語った。

安堵しつつも、携帯から聞こえてくるアンジールはどこか怪しんでいる感じだ。


『…それで、参考のために電話をしたと』

「忙しい時に手間を取らせてしまってごめんね」

『いや…別にかまわない。ついでだから、ある人物に伝言をお願いできないか。質問があれば、堂々と俺に聞けと。以上だ』


アンジールはそう言うと、携帯を切ってしまった。

プープーと鳴る音がむなしく鳴り響く。


「……お見通しのようでしたね」

「……すまない」


会う機会があれば、その時は謝罪も含めてきちんと本人と話し合おう。

ガイアスは心に固く誓ったのだった。



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