【7】ボスさんとリーダー
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時計の針は、午後4時半を指している。
こんにちは、皆さん。ディアボロです。
昼食に世にも不思議な動植物の握り寿司を食べている最中に訪れた一人の来客。
この世界の暗殺チームのリーダー、リゾット・ネエロさんです。
いやー…まさか、扉の向こうからこんにちは的に、彼が訪れるだなんて思いませんでした。
リゾットさんはこの世界でもイケメンさんです。
縞々ズボンとセットの黒い仕事着ではなく、普通の服装。
私服姿の彼を見るのは、珍しくはないけれど、イメージがあの腹筋が拝められる仕事着なんで新鮮さが損なわれないという不思議。
しかしここで問題が発生しました。
リゾットさんの目的は、フィンさんと話をする事だったようです。
今日はふーちゃんもいないし、それを見越していたのか、リゾットさん…二人きりのシチュエーションを想像していたようで、夕食用の材料をいれた買い物袋と…花束持ってきています。
うわぁ…なにこれやばい!
これって、俺が二人きりの時間をブレイクしたようなもんじゃあないですか
…罪悪感がじんわりでてきています。
どうする…どうする、俺…!
「あの…部屋で休んでますね」
俺は『部屋へ直行』という選択をした。
これがゲームの中での二者択一なら、0.1秒の早さでボタンを連打してただろう。
俺の気遣いを感じ取ったのか、フィンさんが「すみません」と申し訳なさそうに小さく謝る
…いえいえ、こちらこそ。
食器を急いで片づけている中、リゾットさんが突き刺さるように俺を見ていた
…もしやご機嫌ななめですか!
こりゃいかん、とそそくさとリビングから退散しました。
「…はぁ~、吃驚した」
部屋の扉を閉じ、ベッドに腰掛けてホッと胸を撫で下ろす。
ぼぉーと数分間、天井を見つめていたら徐々に頭の思考ははっきりしてきた。
俺の選択は間違っていなかった、と感じています。
この世界のリゾットさんは、俺の世界の彼じゃあない。
平行世界とはいえ、似ているようで全く違うんです。
あっちじゃ、フレンドリーな関係を築いていても、こっちで同じになれるとも限らない。
こっちの世界は、原作通りあの悪魔がパッショーネを牛耳っていたんです
…リゾットさんにとっちゃ天敵だったのです。
もしも、俺が平行世界のディアボロだとバレたらどうなると思います?
この少女漫画風な姿とはいえ、面白く思わないでしょう…100%
場合によっちゃ、フィンさんがいないところで…
俺の体内でメタリカちゃんを発動させられちゃうかもしれない。
ブルブル…想像するだけでも精神的ダメージが半端ないです。
だからこその逃避行。
別の言い方をすれば「自己防衛」とか「戦線離脱」
つまり、俺がとるべき最善の道(ルート)は部屋で大人しくしていろ…なのです。
とはいえ、材料まで買い込んでいたのだから、リゾットさんは夕飯までいる算段だろう。
今日の金魚草鍋は別の日にチェンジか…シメのうどんも後日に持ち越しになる。
仕方ないとはいえ、ちょっと残念。
ところで俺の夕飯はどうなるのでしょう?
フィンさんが持ってきてくれるといいな~、と思っていたその時、扉をノックする音が…!
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