ふたつのステラ 【Una bella signora è un capo】
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「ふーちゃん」
「あーい」
名前を呼べば、ゆっくりと舌足らずな返事がきました。
白い猫のベビー服に身を包む女の子…ふーちゃん(1)
茶色の髪と同じ色の大きな瞳、可愛らしい顔。
ああ、なんて可愛いんだ…このこねこにん。
ほっぺを指でちょんと押してみる。
柔らかい弾力がたまりません。
ぶぅーと頬を膨らませるところがリスみたいだ。
ふーちゃん…この子が、以前説明したフィンさんと同じ、この世界における主人公です。
まだ1歳児だというのに、第1部の時代から全く年齢が変わってないのだ。
フィンさんもだけど…ふーちゃんは、エクレシアという特殊な種族で、いわゆる【神様の卵】らしい。
神様の卵…という事は将来、次世代を担う神様になるってことですか、すげーと素直に感じました。
さらにハーパルさんが説明してくれたんですが、エクレシアは元々、人間であって魂となってから新たに目覚めた神族との事です。
フィンさんの場合は、人間界では諸事情で生まれてこれなかった水子(赤ちゃんの霊)で、天界で長い時間をかけて現在の姿へ成長したそうです(ご本人談)。
そうなると、ふーちゃんも大きくなるには普通の人間の子よりももっと長い年月を過ごさないといけない。
そう考えると切なすぎる…だって、第1部の時から彼女、ジョースター家と繋がりがあったんですよ。
あのジョナサンとエリナ夫婦と友達関係だったのに、同じ時間を過ごせないなんて…まだ小さなこの子には理解できないとしても辛いはずです。
よくRPGの中で、種族間の大きな隔たりの原因のひとつに年を取る体質の差が挙げられるけれど、それはどの世界においても共通の課題なんじゃあないかと思います。
幸いなのが、両者は世代を超えても良好な間柄を築いている事。
もしそうでなければ、第三者である俺も悲しいです。
よかった…仲良し万歳!
ちなみに、ふーちゃんは人間を辞めた某吸血鬼様とも面識があるようですが、
親しくなければ嫌いと言う訳でもない…なんとも微妙な関係だったみたいです。
まあ、あのDIO様ですからね。
爽やかにフレンドリーに接するなんて柄じゃなさそうだし、尊大に「このDIOの僕になれぇえええ」とか言って見下してそうだ。
けれども、衝撃だったのが、ふーちゃんとフィンさんがあのDIO様の事を「うりさん」という愛称で呼んでた事です。
ブフォッ! なにそれかわいい。
DIO様も、よくファンシーなあだ名を許可しましたね。
…多分、しょうがないと諦めた感じで渋々認めたんじゃないかなというのが俺の推理です。
「でぃあちゃーん」
「はーい」
でも一番の衝撃は、最初にふーちゃんを紹介された時でした。
だって、フィンさんが「友達」だと言ってたから、同い年か年上のイメージが強かったんですよ。
こねこの衣装を着た1歳の女の子が、あのDIO様や究極生命体、手フェチの爆弾魔、悪魔と戦ってたなんて誰が想像できますか(直に戦ってたとは思わないけど)?
怖い人相手でも泣く事は少ないみたいだし…
それはそれで心配な面はありますが、大したものですよ、ふーちゃん。
「ふぅー」
この子を見ていると、トリッシュちゃんを引き取った時の事を思い出す。
当時は5歳…まだまだ甘えたい盛りなのに、必死に背伸びしようとしているところとかあって
…そこがまた可愛かったんです。
あれから10年、大きな病やケガもなく元気に育っている。
親としてこれほど嬉しい事はありません。
トリッシュちゃん、俺がいない間…元気にしているでしょうか?
お母さんは元気に生きていますよ、並行世界で!
【ボスさんとこねこにん】
「ふーちゃん、何が食べたいですか~?」
「ぷりーん!」
(いつか、この子が大きくなった時…俺の事を覚えているでしょうか?)
(ほんの少しでも覚えていてくれたら…素敵だと思いませんか?)
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