【17】 忍び寄る犯人の魔の手
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「ホルマジオさん…言える範囲でいいんです。
事情を説明して頂けますか?」
意識が入れ替わったホルマジオに、フィンは正座をして三つ指をついて頭を下げた。
聞きたい事はいっぱいあるが、体調が回復したとはいえ、長い時間尋問させるのは酷である。
「えっと…まずは自己紹介をしますね。私の名前はフィン。
この世界で、暗殺チームの方々にお世話になっている者です」
「リゾット・ネエロだ。…と言っても、向かうにも同一人物の『俺』がいるだろうが」
「ふーたん!」
フィン、リゾット、ソラがそれぞれ自己紹介をする。
ホルマジオは…「ああ、ども」と謙虚な姿勢で後頭部を利き手で押さえて、会釈する。
「…知ってるとは思うけどよぉ。俺はホルマジオだ。名前のいる世界のな…」
バレたなら仕方ない…と吹っ切れたのか、ホルマジオも挨拶を返した。
「すまねえな…多分、こっちの『俺』は名前の世界にいるはずだ」
どっから話せばいいんだぁ~とホルマジオは、後頭部をガシガシッと掻きながら悩んでいる。
「うーん…名前さんが戻ってくるまで一先ず休憩しましょうか?」
「そうだな…この一件の主要人物が揃った上で話を進めていかんとややこしくなりそうだ」
「おっ、そりゃ助かるぜぇ。グラッツェ!」
フィンの提案に、リゾットは同意し、あちらのホルマジオもありがたいと感謝した。
◇◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇
ホテル一階に設置されている自動販売機。
コーヒーの品数は三パターンあり、名前はどれにするか迷っていた。
「えっと…」
あちらの世界のホルマジオのコーヒーの好みは分かるが…
こちらの彼が同じ味覚か否か判断に悩んでしまう。
「でも、ほとんど変わりはないから同じかな…でも、ちょっと違いはあるんだよね…」
「おい」
不意に背後から声をかけられ、振り返ると…
ポケットに手を突っ込んで、順番待ちをしているギアッチョがいた。
「あっ…どうも…」
「おい、さっさと選べよなぁ…自動販売機は此処しかねえんだぞ!」
早くしろ、と苛立った声で急かす。
「ごめんなさい。あの…ギアッチョさん」
「ああ”っ!?」
「ホルマジオさんのコーヒーの好み、教えてくれますか?」
「ハァ? なんであいつの好みなんか…」
「あと、リゾットさんとメローネさん…それから貴方の好みも…できたら教えてください」
「って、俺が答える前に質問攻めすんじゃねえぇえええ!」
「…も、申し訳ありません…」
いけない、話を遮ってしまった。
名前は、不快な思いをさせてしまった事を丁重に謝る。
ギアッチョはチッと舌打ちすると、面倒くさそうな視線を向けて…
「……あいつの好みは砂糖二つ程度」
「あっ…ありがとうございます!」
「リーダーは砂糖多めで、メローネは知らねえよ。
その都度気分次第だろーな。…俺は砂糖二つ半だ」
質問の答えを言いながら、ギアッチョは自動販売機に硬貨を入れてボタンを押した。
ガコッと取り出し口へ落ちてきたのは、スポーツ飲料水だった。
ギアッチョは中腰になってそれを取る。
「あんたの事はよく知らねえ。
けど、ソルベとジェラードがやたらと俺らの事を気にかけているって話は聴いた」
「そうですか…」
「なんで俺達チームを気にかけんのかはこの際どーでもいい。ただ、一つだけ言っておくぜぇ。
…もし、あんたがリーダーを、チームを貶めようとする奴なら、その時は俺はあんたを容赦なく殺る。
例え、フィンの友達(ダチ)だろうが関係ねえ。それだけは胸に刻んでおきやがれ」
向けてきた視線は極めて鋭利な刃物のように研ぎ澄まされていた。
自分達に害をなす輩は容赦なく葬る…その覚悟が沸々と感じられた。
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