【8】目を背けたい現実
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「ま、処遇がどうなろうが、俺達はもう決めてるからな」
「…どういう意味ですか?」
ソルベがきらりと目を光らせた。
あたかも標的を狙う鷹のような眼差しだ。
「俺とジェラードが忠誠を誓うのは、先代でもあのガキでもねえ……リゾット・ネエロだけだ」
「そーいう事。俺達の命はもうリーダーに預けてるんだ。だから、リーダーの言葉に従うだけさ」
リゾット…その名前を聞いて、脳裏にあちらの世界の彼が浮かび上がる。
(こっちのリゾットは…どういう判断をするの?)
冷静沈着な彼は、無闇に反乱を引き起こすなんて真似はしない。
そう思う半面、暗殺者としての矜持をもつ彼の気持ちを考えると、再び牙を向く可能性も拭いきれない。
不安で頭の思考がまとまらない中、ジェラードがある事を言った。
「今日、メールで召集をかけられたんだ」
「……文面はなんと?」
「‟二週間後、ネアポリスの指定されたホテルまでくるように”
―――リーダーだけじゃあなくて、チーム全員お呼び出しさ」
フィンの問いに対して、ジェラードは肩を竦めて教えてくれた。
代表者だけでなく、全員呼び出し…つまり、ジョルノは最終的な判決を下すのだろう。
「《こりゃ、マジでやばそー》ってあのメローネまでマジ顔で言ってたな」
「よくて『減刑』か、他チームへの『移動』だが…本音は、正体を知る俺らを排除したいんだろう。
反乱分子への見せしめのために『公開処刑』もあり得る」
「そ、そんな事…!」
ダンっとテーブルをたたいて、飛び跳ねるように椅子から上がった名前が声を上げた。
驚いたように目を見開くフィンとジェラード。
ソルベは訝しげに眼を細めている。
「…ま、まだ決まった訳じゃないですよ。そんなネガティブな事…考えない方がいい…です」
しまった…と内心、己の突発的な行動を後悔しつつも、名前は少し視線を落として言葉を紡ぐ。
「……悲しいこと…言わないでください」
無性に泣きたくなった。
この容赦ない現実が、夢であってほしいと願うほどに。
【目を背けたい現実】
「シニョリーナ…なんで、そこまで俺達の事を気にかけてんのかは知らねえが、これは新生パッショーネと俺達の問題だ。悪いが…部外者は騒ぎ立てないでくれ」
「ッ!………す、すみません」
眉を潜めて苦言を呈するソルベに、名前は小さく謝るとゆっくりと椅子に座った。
「…行くんですか?」
「まあな、だけど…親のことを素直に信じるマンモーニみたいに、手ぶらでは行く気はないよ」
フィンの言葉に対し、ジェラードがあっけらかんとしたように答えた。
その態度に、違和感を感じたフィン。
名前も不安そうに彼に視線を向ける。
「俺らは当の昔に覚悟はできてる」
「あのガキが構成員総出でチーム狩りを仕掛けようが構わない。
チームの誇りをかけて、迎え撃つだけだ」
「でも、それだけだとつまらない」
「そこで、俺らは考えた……」
「「フィン、お前(君)の力を借りたい」」
シンクロナイズドスイミングのようにぴったりと彼らの言葉は重なり合う。
指名されたフィンへ自ずと視線が向いてしまう名前。
「…何をすればいいんですか?」
グルグルと落ち着かない心を顔に露わにしている名前とは対照的に、フィンは二人の言葉を受けても感情を悟らせない表情を崩さなかった。
【To Be Continued… ⇒】
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