短編
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私には生まれつき変な痣がある
肩のあたりにある細長い痣だ
別になんてことない、よくあるものだ
大学生になったある日サークルのメンバーと海に行くことになった
一緒に海に行く、好きな人にアピールできるようにちょっと背伸びした水着も買った
しかし、いざ水着を着るとなると緊張したが、この日の為に頑張ったのだと意を決してとびだした
初心な彼が顔を真っ赤にして褒めてくれたのが嬉しかった
私が彼のことを好きだと知っている友達が気を使ってくれて二人で遊んだりした
今日は最高の日になる
そう思った
カキ氷を買いに行った彼を待つ時間も楽しくて、ニコニコしながら海を見ていると、やけにガタイの良い男の人と目があった
体中傷だらけで絶対に堅気の人じゃない
そう思った私は不自然のないように目をそらした
こんなに人がいるんだ目が合うことくらいある
何故か落ち着かない心臓を抑えながら息を吸った
しかし、目があった人のことか気になりもう一度そっちを見るとその人はこちらに向かって歩きだしていた
怖い。直感的に思った私はカキ氷を買いに行った彼の方を目指し人混みに紛れることにした
別になんてことは無い、友達を迎えに行くだけで変ではない
自分に言い聞かせながら歩くスピードを早める
ザッザッ
こんなに人がいればわからないだろう
そう思いながらも歩くスピードは無意識にどんどん上がっていく
ザッザッザッ
速く彼を見つけなきゃ!
ザッザッザッザッ
もはや走り出した私の肩を誰かが掴んだ
「ひっ!」
驚きで変な声が出た
「あっ!ごめんね、驚かす気はなかったんだけど」
さっきの傷だらけの人ご申し訳なさそうに言った
「いえ…ちょっとびっくりしただけで大丈夫です」
気のせいだったのか?そう思うほど彼は見た目より、はるかに柔らかな物腰だった
「ねぇ、俺のことおぼえてる?」
ゆっくりそう言った彼の声は不安そうだった
安心させてあげたいところだが、記憶にはない。
こんなに印象的な人に会ったことがあるならば忘れないだろう。
「申し訳無いけど無いと思います」
「そっかぁ」
下を向きながら、溜め息と一緒に吐き出された言葉は重たかった
ガッ!!!!
前触れも無く、肩を掴まれた
じわじわと指に力が入っていく
突然のことに理解ができず、声にならない悲鳴が出た
「なら、思い出して貰わないと」
そう言いながら顔をあげた彼の表情はとても恐ろしかった
すると急に、パッと手を離された
逃げなきゃ!と本能的に悟り駆け出した
誰でもいい。誰でもいいから助けて
そう思いながらも恐怖で声は出ない上に、パニックで自分がどこを走っているのかも分からなかった
周りを見ると人がいなくなっていた
だいぶ人がいない方へ走ってしまったみたいだ
これは駄目だと思ったとき
「そうだよ昔の君も鬼ごっこが好きだったんだ」
後ろから私に聞こえるか聞こえないかの大きさで言われた
好きじゃ無いよ……昔も今も好きじゃない
砂の上は足を取られて、思うように走れない
藻掻いても藻掻いても前に行かない
涙で前が見にくくなってきた
ああ、そうだ私はこの感覚を経験したことがある
ずっと昔
走っても走っても進まない寒い雪の中を彼に追いかけられたんだった
プツンと音がして私は砂の上に倒れ込んだ
足跡が近づいてくる
「思い出してくれたんだね。俺すっげー嬉しい」
屈託のない笑顔で私を抱き上げる彼は思い出した顔のままだった
「俺さ昔と変わってないでしょ?恋の力って凄いよね!」
「あっ!別に変わった君の事を責めてるんじゃないよ!!」
「それに、君は変わっても見つけれるように痣を残したんだしね!」
「短剣で刺したのは痛かっただろうけど、今回も見つけれた訳だし」
「来世でもしっかり見つけれるように、消えない痣をつけようね」
肩のあたりにある細長い痣だ
別になんてことない、よくあるものだ
大学生になったある日サークルのメンバーと海に行くことになった
一緒に海に行く、好きな人にアピールできるようにちょっと背伸びした水着も買った
しかし、いざ水着を着るとなると緊張したが、この日の為に頑張ったのだと意を決してとびだした
初心な彼が顔を真っ赤にして褒めてくれたのが嬉しかった
私が彼のことを好きだと知っている友達が気を使ってくれて二人で遊んだりした
今日は最高の日になる
そう思った
カキ氷を買いに行った彼を待つ時間も楽しくて、ニコニコしながら海を見ていると、やけにガタイの良い男の人と目があった
体中傷だらけで絶対に堅気の人じゃない
そう思った私は不自然のないように目をそらした
こんなに人がいるんだ目が合うことくらいある
何故か落ち着かない心臓を抑えながら息を吸った
しかし、目があった人のことか気になりもう一度そっちを見るとその人はこちらに向かって歩きだしていた
怖い。直感的に思った私はカキ氷を買いに行った彼の方を目指し人混みに紛れることにした
別になんてことは無い、友達を迎えに行くだけで変ではない
自分に言い聞かせながら歩くスピードを早める
ザッザッ
こんなに人がいればわからないだろう
そう思いながらも歩くスピードは無意識にどんどん上がっていく
ザッザッザッ
速く彼を見つけなきゃ!
ザッザッザッザッ
もはや走り出した私の肩を誰かが掴んだ
「ひっ!」
驚きで変な声が出た
「あっ!ごめんね、驚かす気はなかったんだけど」
さっきの傷だらけの人ご申し訳なさそうに言った
「いえ…ちょっとびっくりしただけで大丈夫です」
気のせいだったのか?そう思うほど彼は見た目より、はるかに柔らかな物腰だった
「ねぇ、俺のことおぼえてる?」
ゆっくりそう言った彼の声は不安そうだった
安心させてあげたいところだが、記憶にはない。
こんなに印象的な人に会ったことがあるならば忘れないだろう。
「申し訳無いけど無いと思います」
「そっかぁ」
下を向きながら、溜め息と一緒に吐き出された言葉は重たかった
ガッ!!!!
前触れも無く、肩を掴まれた
じわじわと指に力が入っていく
突然のことに理解ができず、声にならない悲鳴が出た
「なら、思い出して貰わないと」
そう言いながら顔をあげた彼の表情はとても恐ろしかった
すると急に、パッと手を離された
逃げなきゃ!と本能的に悟り駆け出した
誰でもいい。誰でもいいから助けて
そう思いながらも恐怖で声は出ない上に、パニックで自分がどこを走っているのかも分からなかった
周りを見ると人がいなくなっていた
だいぶ人がいない方へ走ってしまったみたいだ
これは駄目だと思ったとき
「そうだよ昔の君も鬼ごっこが好きだったんだ」
後ろから私に聞こえるか聞こえないかの大きさで言われた
好きじゃ無いよ……昔も今も好きじゃない
砂の上は足を取られて、思うように走れない
藻掻いても藻掻いても前に行かない
涙で前が見にくくなってきた
ああ、そうだ私はこの感覚を経験したことがある
ずっと昔
走っても走っても進まない寒い雪の中を彼に追いかけられたんだった
プツンと音がして私は砂の上に倒れ込んだ
足跡が近づいてくる
「思い出してくれたんだね。俺すっげー嬉しい」
屈託のない笑顔で私を抱き上げる彼は思い出した顔のままだった
「俺さ昔と変わってないでしょ?恋の力って凄いよね!」
「あっ!別に変わった君の事を責めてるんじゃないよ!!」
「それに、君は変わっても見つけれるように痣を残したんだしね!」
「短剣で刺したのは痛かっただろうけど、今回も見つけれた訳だし」
「来世でもしっかり見つけれるように、消えない痣をつけようね」
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