【ミンキー】お酒

ミノはキボムのことが好きだった。

しかし、好きだと思う度に冷たい態度を取ってしまう。

キボムにも他に好きな人がいるだろうし、10年以上続く恋だからかもうミノもキボムのことはもう無理なんだと諦めきっていた。


あの夜が来るまでは_


とある夜、SHINeeのメンバーたちは新しいアルバムのレコーディングを終え、近くの居酒屋で打ち上げをしていた。

ミノはテミンにくっ付いて、テミンのスマホの画面を盗み見している。

「ねえヒョン、ちょっと離れてくれない?」
「嫌だよㅋㅋㅋお前の反応面白いし」
「はぁ……きーヒョンからも何か言ってよ」

一方、キボムはスマホのカメラを起動して髪が乱れていないかなどを確認しながらいつも通り自撮りをしていた。

「ミノヤ、テミニ嫌がってんだからやめなよ」
「はー?お前に言われる筋合いないし」

バチバチした雰囲気が漂ってきたことを察知したテミンは、

「ぼく喧嘩きらいー!」

とあからさまに大きな声で言い、テミンペンの2人は言い合いを辞めざるを得なかった。

打ち上げは盛り上がりすぎたからか深夜にまで及んだ。

ミノの態度に納得がいかなかったキボムは、ストレスを発散するかのように生ビールを何度も頼み、それはもう目を向けられないくらいドロドロに酔ってしまっていた。

皆が帰る準備をしている時、キボムはミノに声をかけた。

「……ねぇ、みの、大事な話、ある」

ミノはテミンの「喧嘩きらい」発言から冷戦状態だったキボムにこう言われるとは思わずとても驚いたが、大事な話?と首を傾げつつも了承した。

「なんだ?話って
お前がそんなこと言ってくるなんて珍しい_」

とミノが少し茶化したように言うと、キボムはミノの緊張を無視してこう言った。

「ぼく、頭おかしくなっちゃったかも、
さ、最近ミノのこと考えるとなんだか、変…」

ミノは自身の心臓が高鳴るのを感じた。

好きな人に告白紛いのことをされてドキドキしない奴なんて、いる訳がない。

「な、なんだキボマ
どっか頭でも打ったんじゃないか?」

「うん、ぼくもそー思ってる、、
でもずっとミノのことかんがえちゃうの」

キボムは酔いすぎたからかまともに呂律が回っていない舌でこう続ける。

「ねーみの、ミノはぼくのこと、どう思ってるの」

こんなのもう告白じゃないか!?という気持ちを抑え、ミノはできるだけ冷静に続けようとする

「え?ま、まぁ、友達?とかじゃないか」

「友達としかおもってないの?ぼくはこんなにすきなのに、」

キボムはそう言って少し悲しげな表情をした。

ミノの良心が痛み、もう素直になってしまおうかとすら考えたが、
もし何かがきっかけでSHINeeのチェミノは男が好きなんだと世間にバレてしまったら、という考えが過りミノは口を紡いだ。

そんなミノのこともお構い無しにキボムはこう続ける。

「みのはぼくのこと、嫌い?ぼくと付き合うのいや?」

目に涙を浮かべながらそういうキボムに、ミノは為す術がなかった。

好きな人に告白されたんだから、そもそも抵抗することなど不可能だったのだ。

その瞬間、ミノはキボムを抱きしめていた。

キボムは驚いたような表情を浮かべたが、すぐに幸せそうな顔に変わった。

「みの、すき…」

そう零すキボムに、ミノはもう限界を迎えてしまった。

「キボマ、俺、お前のことが好きだよ」

「えっ、え、ほ、ほんと?すき?ぼくのこと?」

「うん、好き。ずっと好きだった。」

そうミノが伝えると、キボムの目からは大粒の涙が流れ落ちる。

それにミノは一瞬戸惑ったが、キボムの表情から悲しみの涙では無いのだと悟り、
ミノは少し微笑む。

そしてキボムはこう続けた

「みの、ぼくとずっと一緒にいてくれる?」

「当たり前だろ、離すわけない」

それを聞いたキボムの顔は更に涙で溢れたが、その表情は幸せそのものだったが、しかしミノもキボムに匹敵するくらい、とてもとても幸せな表情をしていた。

酔いから目を覚ましたキボムが裸のミノが隣で寝ているのを見て絶叫するのは、また別のお話。
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