異界を繋ぐ恋の架け橋
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捲簾「あーぁ、お似合いなこって」
後ろを歩く捲簾大将からそんな言葉が聞こえた。
敖潤「なんのことだ、捲簾大将?」
捲簾「自覚ないなら、何でもないっすよ」
敖潤「意見があるならば、はっきり言いたまえ」
捲簾「いえ、別にないです。自覚してないなら言ったら怒られそうだし、余計なこと言って報告書増やしたくないんで」
敖潤「貴殿が何を言いたいのかさっぱり分からんな。それより、そろそろ、天蓬元帥の部屋だな。捲簾大将、よろしく頼む」
捲簾「へーい、了解です。おい、天蓬!また邪魔するぞ!」
天蓬「んー、捲簾?今日は、頻度が多いですね?って、朔羅さん、もうそれだけの書物読み終えたんですか?それなりに難しい内容のはずだったんですが、よく読めましたね」
私の手元を見て天蓬元帥が評する。
朔羅「漢文でしたけど、問題なく読めました」
天蓬「それに、とても二人の仲も良くなったようで良かったです」
朔羅「そ、それは、そんなことはっ」
敖潤「天蓬元帥、ハズレの本が多かった。もう少し具体的な本を貸してくれまいか」
恥ずかしがる私を置いて、敖潤は淡々と用件だけを告げる。
(敖潤って意外と恋愛ごと鈍い?でも、こうして手を繋いでくれてるってことは、少なからず、心は許してくれてるのかな?)
疑問を置いて、事は進んでいく。
天蓬「なら、こっちの本を貸しましょう。捲簾、本の片づけお願いしますね。僕は、新しいの出すんで」
捲簾「何度目の整理をすればいいんだ俺は」
敖潤「上官命令だ。励め捲簾大将」
捲簾「・・・・・へーい(いつか見てろよ、この蛇肌野郎が)」
敖潤「捲簾大将、今、私の外見について良くない思考をしたようだが、私の気のせいか」
捲簾「いえいえいえ、とんでもないっす!」
一瞬だけ、敖潤の目が鋭くなった。
慌てて逃げるように、天蓬元帥が出し始めた書類の片づけを始めた捲簾大将。
(敖潤、怒らせるとちょっと怖いかも。しかも自身の容姿について何かコンプレックスでもあるのかなぁ?綺麗だと思うんだけど、私の感性がおかしいのかな?)
敖潤「朔羅は私の事をどう思う?」
心を読んだのかのように、敖潤が小声で問うてくる。
朔羅「私は・・・男の人に使う言葉じゃないとは分かってるんですが、初めて見た時、綺麗だなって思いました」
敖潤「私が、か?」
かなり疑問符を含んだ敖潤の問いにどう応えようか迷っていると、天蓬元帥が口を挟む。
天蓬「朔羅さんは、変わった感性してますねぇ。西海竜王の名を持つうちの上官は一応、龍の化身なんですよ?他にも3人の竜王がいますけど、まぁ、そんなにこちらの世界にのめり込んでもまずいでしょうし、戻るための本探さないとねぇ」
言いながらも、内容をパラパラめくって本をとっかえひっかえして整理している天蓬元帥から初めて、敖潤についての情報が聞けた。
(せいかいりゅうおう、西の海の竜王で、良いのかな?だから、角もあるし、耳も尖ってるのはそのためかな?でもやっぱり、綺麗だと思う)
朔羅「西海竜王、だから、西軍の総指揮官なんですか?」
敖潤「・・・私はそこまで説明していないが、どこで気付いた?」
驚く様子を見せる敖潤に対して、自分もそんなに驚かれることとは思ってなかったので首を傾げながら答える。
朔羅「え?だって、軍隊の階級的には、大将の上が元帥で、その上って言ったら総司令官しかないかなって。一般常識の範囲内だと思うんですけど、違いますか?」
敖潤「・・・朔羅、お前は私が思っている以上に賢い女性のようだ。才女である事は好ましい」
朔羅「そんな才女だなんて・・・」
敖潤の言葉につい頬に熱が上がる。
捲簾「あーぁ、ホント、お熱いこって」
天蓬「あはは、露骨に言ったらダメですよ捲簾?2人の時間は邪魔しちゃいけませんってば」
朔羅「な、なんですか、2人して!」
天蓬元帥と捲簾大将がにや付いてるのが目について、赤面しつつ、声を荒げれば、2人して顔をそむけられた。
捲簾「べっつに~。お2人さんが気づいてないなら俺ら、口出しできねーし」
天蓬「僕は、傍観主義者なので、上官が誰とどうなろうと構いませんよー」
敖潤「天蓬元帥、捲簾大将、2人共、何が言いたい」
捲簾&天蓬「「何でもありません」」
上官からの詰問にも、2人は声を揃えて何も言わず、けれどどこか微笑ましい笑顔を浮かべているのであった。
(もしかして、2人共、私が敖潤のこと好きなのことに感づいてる?で、でも、私、そんな素振り、はしてないはず、よね?)
自問自答しながらも、未だに敖潤と手を繋いだままだったことに気が付いた。
(やだ、私、手繋いだままだ・・・でも、嫌な感じはしないのよね。むしろ、このままがいいな)
そんな事を思っていれば、いつの間にかまた書物の山が出来上がっている。