異界を繋ぐ恋の架け橋
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朔羅「敖潤、さん?どうしました?」
我知らず、言葉を失っていたらしい。
己らしくないと首を振って言葉を紡ぐ。
敖潤「・・・疲れない程度にするのだぞ。また空腹などを感じたらすぐに言え。夕餉の準備をさせる」
朔羅「はい、ありがとうございます。でも、まだ頑張れるので、お気遣いありがとうございます」
敖潤「敬語は癖か?崩していいと先程も言ったはずだが?」
朔羅「あ、いや、あのっ、そのつい、書物とか見るとなんていうか、仕事モードになってしまって、敬語になっちゃって」
頬を染めて、恥ずかしがる姿も愛らしいと思う。
敖潤「そうか。ある程度読み終わったら、天蓬元帥の元に返しに行くぞ。量が多いからな。少しずつ返しに行くべきだろう。ここには、私と朔羅しかいない。この大量の書物は一度には運べぬ。しばらくこの部屋に置いておいて構わないから、読み終わった分から、返しに行くか」
朔羅「そうですね。今日はもう少し読んで、少しでも手がかりを掴みましょう」
握り拳を作って気合を入れる彼女の姿が、少し頼もしいと思った。
(励むべきは、私のはずなのだがな。どういうわけか朔羅には勇気づけられる)
そう思いながらも自身も4冊目の本を開く。
暫し互いに書物を読む時間が続き、コンコンと部屋がノックされた。
敖潤「何用だ。入れ」
捲簾「お疲れ様っす。部屋の準備出来やしたよ。ベッドとか大物の搬入があったんで時間かかりましたけど、一応、化粧道具一式も揃えときました。あと、観世音菩薩のとこの女中から衣服も預かったんでそれも部屋に置いてありますぜ」
敖潤「捲簾大将、ご苦労だったな。もう部屋に戻ってゆっくり休むと良い。こちらもそろそろ切り上げようと思っていたところだ。朔羅、夕餉は自室で食べるか?この部屋に運ばせることもできるが、書物で机の上が埋まっているからなぁ・・・少し、読んだ分だけでも天蓬元帥の元に戻しに行くか」
朔羅「あ、はい、そうですね。敖潤さん、かなり読んでますね。10冊は超えてるんじゃないですか?」
敖潤「不要な部分も多かったから、飛ばし読みをしていただけだ。それよりも朔羅の方こそ、慣れない文章ばかりで疲れただろう」
朔羅「うーん、ちょっと、目が痛いかも。書物戻したら、ここで食べちゃダメですか?もう少し、読み解きたいですぅ」
捲簾「あらら、朔羅ちゃん、頑張り屋さんね。夕飯なんてこんな堅物上司より俺様と一緒に食わない?」
朔羅「えっと、夕飯は敖潤さんとがいいです。さっきも言いましたが書物も読み込みたいですし。それより、私を口説く余裕があるなら、捲簾さんも読み解くの手伝ってくださいよ。それと、読み終わった本や巻物を天蓬さんの元に返しに行きましょう」
捲簾「朔羅ちゃん、意外と真面目で誰かさんに感化されてない?まぁ、良いけど、読み終わったのは、これか?巻物は悪いけど持ってくれない?丸いのと四角い本を同時に持つのはきついんだわ。てなわけで、うちの隊の奴らに夕飯運ばせとくから、一応、天蓬のとこに戻ろうぜ。上官はどうします?」
敖潤「私も行こう。朔羅の監督権は私にある。それに、追加でいくつか書物も借りてくる必要がありそうだ」
捲簾「げっ、また本増やすんすか。2人して勉強好きっすね。俺には真似できねーすけど」
言いながらも、捲簾大将は敖潤の机の上に置いてあった本を持ち、自分は読み終えた巻物を持つ。
敖潤は、まだ読み終えてない本を応接机の隅に寄せて、夕飯が置けるスペースを作る。
敖潤「では行こうか、朔羅」
自然と差し出される敖潤の手。
それを自分は恥ずかしい気持ちを押さえて、荷物を持っていない手でその手を握る。
捲簾「・・・珍しいこともあるんすね。上官が女性をエスコートするなんて」
敖潤「意外か。私でもこのくらいのことはする。さぁ、行くぞ、捲簾大将。貴殿にはまた元帥の部屋の整理を頼まねばならん」
捲簾「へーへー、了解しましたよ」
そんな二人のやり取りを聞きながら、手から伝わる敖潤の少し高い体温の温もりが愛おしいと思った。
(少しは、近寄れたかな)
そんな事を思いながらも西南棟の中を歩いていく。