異界を繋ぐ恋の架け橋
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定夢小説の主人公は、その話に応じて容姿や性格などを設定しています。
全ての小説で、夢用のお名前を使用する場合は、こちらを使用してください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
湯あみを終えて、服もこの世界に合わせたらしい薄い青い色の着物服を着せられて、髪もハーフアップにされて藤の花を模した簪で纏められた。
それまで着ていた服と荷物は洗濯すると言われて取り上げられたが、「お部屋が決まりましたらお届けしておきます」とも言われたので、心配しないことにした。
蓮池前に戻ってくれば、すでに敖潤と名乗ったあの綺麗な人が腕を組んで待っていた。
朔羅「あのっ、お待たせしてしまいましたか?」
敖潤「いや、そんなに待ってはいない。ちょうど良い服が合って良かったな。髪形も変えたのか。似合っているな。さて、これからだが、どうしたものか・・・少し軍部の方を散策するか?私の眼の届く範囲に貴殿を置いておく必要もある。部屋も用意させねばらなんな」
朔羅「あのっ、名前、朔羅、でいいです。そう呼んでください」
恥ずかしさから両手をぎゅっと握ってうつむき加減でお願いをしてみる。
敖潤と言う人が綺麗過ぎて、まともに目を合わせられない。
敖潤「ならば、朔羅。行くぞ。いつまでもココに居るわけにも行かない。着いてこれるか?」
朔羅「あ、はいっ、大丈夫です」
歩き出そうとしている敖潤の後を追い、自分も足を動かす。
朔羅「あの、今更ですけど、ココはどこですか?」
敖潤「・・・そこから、説明が必要だったな。気が利かなくてすまない」
朔羅「あ、いえ、そんなことはっ・・・聞く機会を見失ってたのは私ですし」
先を歩く敖潤が少し振り返りざまに声をかけてくる。
敖潤「ここは、桃源郷の天界。神の住まう世界だ」
朔羅「とうげんきょう?てんかい?」
敖潤「観世音菩薩がどの世界から朔羅を呼び出したのかは不明だが、朔羅の元居た世界とは本来、次元の異なる世界とだけ理解していればいい。そう言えば自己紹介もまともにしていなかったな。私は、西方軍を取り仕切る西海竜王、敖潤。日頃は、天帝城から離れた西南棟に居住している。西方軍に属する者のほとんどは西南棟に属していると考えて良い。ここまでの話は理解できるか?」
朔羅「えと、てんていじょうってなんですか?せいなんとうは住まい?だとなんとなくは理解できます」
敖潤「天帝城とは言葉のごとく、この天界を統べる天帝が住まう城の事だ。そこから西南に位置する棟だから西南棟と呼んでいる。東側にも同じように東方軍の棟があるが、朔羅はそこまで関わることもないだろう」
朔羅「とすると、そのっ、敖潤さんは、西方軍の居住区である西南棟に向かってるわけですね?」
敖潤「そうだ。朔羅は物分りが早くて助かる」
朔羅「もう一つ聞いて良いですか?私が出てきた蓮の池があったのは誰の居住区ですか?」
敖潤「あそこは、天界を支える五大菩薩の内が一人、慈愛と慈悲を司り、男女両方の性別を兼ね備えた観世音菩薩の住まいだ。天帝城に向かうにはあの蓮池の前を通るのが一番近道でな。偶然、そこを通った際に、朔羅が呼び出される瞬間に立ち会ったまでだ」
朔羅「・・・・・・私、ココに来ちゃまずかったですか?」
観世音菩薩の容姿を聞いて、さっき敖潤と話してた人だろうと予想はつくが、声もまともに聞いてないし、男女両方の性があるとはちょっと想像しにくい。
そんなことを思いながらも、少し先を歩く敖潤の様子を窺うようにしておずおずと聞いてみた。
敖潤「来てはいけないわけではない。正確に言うならば呼び出されてはいけなかった。つまりは観世音菩薩仕業になるのだが、菩薩の口ぶりでは、私に朔羅のことは一任されてしまったから、今から元の世界に戻れるよう知識を拾いに行く」
朔羅「知識を拾いに?」
敖潤「我が西方軍には、書物に関してなら古今東西ありとあらゆる書物を扱う変わり者が居る。今からその者の元を訪れる予定だ。因みに気が付いてないかもしれないが、すでにココは西南棟だ」
朔羅「え?そんな私達、まだそんなに歩いてないですよ?こんなにすぐ着く場所なんですか?」
敖潤「先程も言った通り、最短距離を通って来ているからな。あぁ、ちょうど良い人物が居たな。捲簾大将、少し話がある」