異界を繋ぐ恋の架け橋
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定夢小説の主人公は、その話に応じて容姿や性格などを設定しています。
全ての小説で、夢用のお名前を使用する場合は、こちらを使用してください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ここは、人間と妖怪が共存をしている桃源郷、天界。
次郎神「観世音菩薩様、観世音菩薩様ぁ!またこちらにいらしてたんですか」
慈愛と慈悲を司る観世音菩薩が蓮の咲き誇る池の中庭を眺めていた。
菩薩「るせーなぁ、次郎神。たまには息抜きくらいさせろよなぁ」
紅の柱に背を預けて、何気なく蓮池を眺める観世音菩薩に、お目付け役の次郎神が問いかける。
次郎神「また仕事をほおり出して、何を見ていらっしゃたんですか?」
菩薩「んー?ちょっとな、つまらなそうに生きてる女の生き様を見てたのさ。ちょっと位、刺激があってもいいと思ってよ」
次郎神「菩薩、熱でもおありですかな?観世音菩薩様の口からそんな慈悲深いお言葉がこぼれるなど天変地異でも起こりそうですぞ」
菩薩「てめー、俺をなんだと思ってやがる。たまには、神様らしいことをしてやろうと思っただけだ」
そう言って観世音菩薩は、蓮池に浮かぶ蓮の間を縫って、欄干を乗り越えて、水にチョンと指先を触れる。
それだけで、池に波紋が広がり、そこから不思議な光が溢れる。
そこを偶然、西海竜王の名を持つ闘神一族出のエリート軍人、敖潤が、書類を天帝城へ届けるために通りかかった。
そして、波紋の中から出てきたのは、一人の黒髪の女性だった。
???「ぶはっ、ここ、どこ?!」
次郎神「観世音菩薩、あなたって人はなんということを!」
菩薩「いいじゃねぇか、たまにはよぉ。なぁ、敖潤?ここを通りかかったのも何かの縁だ。そいつはお前が預かれ」
敖潤「は?観世音菩薩殿、御自ら招いた異界の者を何故、私が」
菩薩「縁だよ、縁。その女の世話は任せた。俺は仕事に戻る。行くぞ、次郎神」
次郎神「あぁ、お待ちください、観世音菩薩様っ」
蓮池を後にする菩薩の後を次郎神が追い、あとには、敖潤と異界から呼び出された女だけが取り残された。