異界を繋ぐ恋の架け橋
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定夢小説の主人公は、その話に応じて容姿や性格などを設定しています。
全ての小説で、夢用のお名前を使用する場合は、こちらを使用してください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それはある日、会社の昼下がり。
やはり雨の日で、しとしとと降る雨の中、ビニール傘をさしながら近くのコンビニにお昼ご飯を買いに行こうと、信号待ちをしていた。
車の通りはない。
けれど歩行者用の信号は、赤だから、自分は周りの人間たち同様に止まって、青になるのを待っていた。
1台だけ乗用車が通り過ぎた後、反対側に見た事のある人を見つけた。
朔羅「観世音菩薩様?どうしてここに?」
我知らず声が漏れた。
周りの人が不審がって自分を見つめる視線があるが、今はそんな事が気にならなかった。
菩薩「お前を迎えに来たんだよ。この世界は退屈すぎるだろ?」
観世音菩薩の服装はこの世界では、珍しい筈なのに誰も気づいていない。
どうやら、自分にしか観測できていないらしい。
そして、菩薩の言葉もまた自分にしか当てはまらない言葉だった。
確かに、天界から戻ってからの生活は依然と変わらず、退屈でくだらなくてつまらなくて。
この1ヶ月程、何とか変化をもたらそうと努力してみたものの、長年の過ごしてきた生活と言うのはすぐに変えられるわけでもなく、退屈な日々が続いていた。
それでもこの生活を投げ出さないでいられるのは、どこかで敖潤が見守っててくれると心のどこかで信じていたからだ。
朔羅「・・・退屈、です。でも、ここが、私の世界で、きっと、天界でも、敖潤さんが見守っててくれるはずだから、私はココで生きていきます!」
菩薩「頑固な奴だよなぁ。じゃぁ、これならどうよ?お前をこの世界に縛ってる諸々の色んなモンを俺が全部片づけてやるよ」
そう言って、観世音菩薩は赤信号なのに、こちらに渡ってこようと足を進める。
ちょうど、大型のトラックが信号が間もなく変わろうとしているのに、減速もせずに突っ込んでくる。
朔羅「危ない!」
思わず、観世音菩薩が轢かれてしまうと思って、自分は走り出していた。
歩いてくる菩薩。
走る自分。
突っ込んでくるトラック。
トラックとぶつかる寸前、観世音菩薩は蓮の花弁と化して掻き消えた。
朔羅「え?」
疑問符と共に、トラックに跳ねられる感覚。
さしていた傘が宙へと舞って、自身も地面にたたきつけられる・・・はずだった。
けれど、感じるのは、雨に打たれる感覚だけで、それがどんどん強くなっていく。
まるで拳台の大粒のどしゃぶり雨に打たれて、水の中に溺れていくような感覚。
(これは・・・もしかして?)
自分はトラックに轢かれて死んだのかもしれない。
けれど、この水に溺れるような感覚には覚えがあった。
だから、ちょっと期待した。
また、天界に行けるのではないかと。