紅と藍の別れ?
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紅い月に照らされて、少し赤みを帯びた健康的な肌色が色っぽさを演出している。
それに今は、黒い蝙蝠の翼が背中から大きく張り出していて、蝙蝠の女妖怪と言われても差し支えない容貌の鬼宮に、暫し見とれてしまう。
鬼宮「悟浄?やっぱ、谷間とか見えるか?」
悟浄「い、いや、大丈夫、見えてないから!なんつーか、藍色の髪に黒い翼と紅い月が映えるって言うか綺麗でさ、見惚れてた」
赤面した顔が紅い月夜に隠れて見えなけれいいと願いつつ、悟浄は言葉を吐き出す。
(やばい、妖怪化してる凛華ちゃん、エロい!何この妖艶さ!あいつらが居なければ、抱き着きたいんだけど!)
手で口元を隠してうつむいている悟浄をよそに、鬼宮は西を見る。
鬼宮「悟浄、西のオアシスの手前に森がある。そこにお前らを狙った妖怪共がいるから、ちょっと朝までに片づけてくる」
悟浄「へ?凛華ちゃん一人で行くわけ?てか、なんでそんなの分かんの?」
鬼宮「蝙蝠は、超音波で周囲の状況を把握する。今の俺にはその能力があるらしい。目視はできない距離だが、居ることだけは確実に分かる。明日、長距離運転の後、一掃するのも手間だろう。なら、こちらを感知してない内に片づける。三蔵達によろしく伝えてくれ。行ってくる」
その言葉だけを残して、鬼宮は羽ばたき始めた。
結界が内側から振動して、翼が結界に触れた瞬間に破られる。
一気に噴き出す妖気。
一匹分のはずだが、妖気の濃さが今までの比ではない。
妖力と羽ばたきによって出来た風に煽られて、悟浄の髪が不規則に乱れて風に流されていく。
鬼宮「じゃ、行ってくる」
悟浄「っ、凛華!」
空へと飛び立つに彼女の名前を咄嗟に呼ぶが、彼女の耳にはその声は届いていない。
上空を旋回して、夜色の髪をなびかせ、黒い翼を羽ばたかせて、鬼宮はまっすぐ西へと向かって行った。
悟浄「あいつ、無茶しやがって・・・ちゃんと帰ってこなかったら許さないからな」
悟浄は破られた結界札の一つを触って、その場に丸くなる。
八戒「悟浄、今の妖気は」
ジープから八戒が降りてきて悟浄に問う。
悟浄「昼間、凛華ちゃんが話してた通りだな。メタモルフォーゼするところまで、妖怪化が進んでるらしい。西に待ち伏せしてる妖怪達を一掃しに行きやがった。こんな何もない砂漠で、何考えてるんだかな」
八戒「ジープから見てましたけど、蝙蝠のメタモルフォーゼですか。まるで吸血鬼みたいですね」
悟浄「朗らかに言ってんじゃねーよ。牙はそんなに発達してなかったし。凛華ちゃんの言う通り、蝙蝠の羽と超音波による周囲状況の確認が、その能力だといいんだけどな」
八戒「メタモルフォーゼ中は、傷を負っても治癒力が高いですからねぇ。本来の妖力に合わせた形になるので体力の消費も抑えられます。ただ、彼女の場合は、完全な妖怪ではない。だからこそ、解けた時の反動が怖いですねぇ。悟浄、今日の所は、ジープで寝たらどうですか?こんな砂漠の何もない場所だと、体温奪われますよ」
悟浄「あぁ、そうする」
悔し気に立ち上がり、他のメンツが眠るジープへと向かう。
一度だけ西の方角を見れば、遠くに空を舞う鬼宮の姿が見えた。
・・・そんな気がした。