紅と藍の別れ?
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悟浄「凛華、?」
悟浄が一番に声を発したが、三蔵一行の視界に鬼宮、の姿はない。
あるのは、首を失い、地に倒れている妖怪の死体。
少し離れた所に、頭部が転がっていた。
三蔵「これは、どういうことだ?」
八戒「おそらく、この死体が凛華さんの言っていた幻術師でしょうね」
悟空「それより、凛華は?」
悟空が最もな疑問を発して辺りを見渡すが、人影はなく、ただ静かに彼女愛用の2本のクナイだけが、地面に落ちている。
鬼宮の姿がないことで、一番動揺していたのは、悟浄だった。
心臓の鼓動がうるさいほど、ドクンドクンと脳内に響く中、彼は思考していた。
地に落ちた2本のクナイ。
妖怪の近くに落ちているクナイは血がついているが、もう一つのクナイは汚れていない。
ふと、その視界の合間に、影が映った。
鬼宮の姿を探して、悟空が前に出たからだ。
その影を見て、悟浄の脳内にある日の会話が蘇った。
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悟空「なぁなぁ!凛華の影ってすごいな!まるで影が生きてるみたいだ!影踏みとか、絶対負けそう」
それはある日の昼下がり、いつものごとくジープの上での会話。
いつも通り、悟浄が影使いの練習を終えて、バテていた時の会話だ。
鬼宮「影踏みなぁ。影使いは、影さえあれば、体を影の中に隠してしまえるから、成り立たないと思うぞ?」
悟空「へー!そんな事もできるんだ!すっげーじゃん‼」
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悟浄「・・・・・・ぁ」
彼の思考の中で、可能性が事実を導こうとしていた。
ズカズカと彼は長い足を進める。
悟空「悟浄?何かわかっ」
三蔵「猿は、黙ってろ」
悟空が行動する前に、三蔵が短い言葉で彼を引き留める。
八戒「悟空、ココは悟浄に任せましょう」
悟空「う、うん?」
八戒にも宥められて、悟空は首を傾げたまま悟浄の方を見やる。
悟浄は、太陽が真南からやや西に傾いているのを一度確認して、血のついていないクナイの前に屈む。
取っ手を掴み、クナイの切っ先を地面から離れないようにして、縦になるように持ち上げる。
地面にクナイの影が伸びる。
「気付くのが遅いじゃないか」
聞き慣れた女性の声が、影の中から聞こえた。