紅と藍の別れ?
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定夢小説の主人公は、その話に応じて容姿や性格などを設定しています。
全ての小説で、夢用のお名前を使用する場合は、こちらを使用してください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
妖怪退治屋、鬼宮凛華を仲間に加えてから、三蔵一行は更に西に進んでいた。
荒野から砂漠地帯に入り、紅い月が浮かぶ夜が毎晩のように続く。
当然、街ごとの間隔もまだらで、そんな夜に野宿する場合も多くなった来た。
紅い月が昇っている日は、呪いの影響で妖怪化する彼女は、一人、ジープから離れた所に結界を張って妖気が漏れないようにして、一晩を過ごすのだ。
だが、必ず邪魔者が入る。
今夜もそうだった。
悟浄「凛華ちゃん、い~れ~て♡」
結界の外にしゃがんで、沙悟浄が中に入れて欲しいとせがんでくる。
今日も月は紅くて、鬼宮は妖怪化している。
当然、誰も結界内に入れたくはないのだが、こいつだけはやけにしつこい。
ここ数日、ずっと紅い月だ。
砂漠地帯で砂塵が舞いやすく、そう見えやすいからなのだが、毎日しつこく、入れるまでうるさいので、今日も諦めて、鬼宮は結界を一度解いてやる。
鬼宮「結界張り直すの面倒だから、いい加減諦めろよな」
地面に張っていた結界札の一枚をはがして、4つ角方陣の結界を一度解除して、悟浄を中に入れて再度、札を張り直す。
悟浄「ありがとうねぇ。凛華ちゃん♪」
鬼宮「毎回、思うのだが、どうしてこんなに俺に構う?妖怪化する人間なんて、気色悪くないのか?」
悟浄「凛華ちゃんが好きでそうなったわけじゃないでしょ?それよりさ、いつものやっていい?」
鬼宮「ご幣を招くような言い方をするな。どうせ抱き着きたいだけだろうが」
悟浄「そんなこと言わずにさ。俺が抱きしめてないと寝ない癖して、意地張らないの♡」
鬼宮「俺がいつ寝ようと関係ない。俺は所詮、妖怪。いつ暴走してもおかしくない化け物だ」
悟浄「それ言ったら、俺らだって同じだろ。とにかく今日も一緒に寝ようぜ?」
狭い空間内で悟浄は問答無用で、鬼宮を後ろから抱きしめる。
その温かさに安らぎを感じ始めている鬼宮は拒絶しない。
ただ為されるがまま黙って丸くなる。
長く深い夜の色に近い藍色の髪の隙間から、悟浄の紅い髪の色が覗く。
自分を妖怪にする紅い月。
自分を優しく包む紅い男。
両者は同じ紅なのに、こんなにも大きな違いがある。
この男と関わると、どうしても自分を甘やかしてしまう鬼宮だった。
そして、今夜も一夜が過ぎる。
紅い月が照らす中、結界の中で眠る二人と、ジープで眠る3人。
砂漠の冷たい風が彼らを包んで撫でていく。