紅と藍の別れ?
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その日も一泊することになった一行は、食事処で夕飯を取っていた。
時はすでに夜。
紅い月も登っているのだが、鬼宮に妖怪化への変化の兆しはない。
両腕に付けているバンクルの影響だろう。
悟空「良かったな、凛華。これで砂漠でも普通に過ごせるじゃん!」
食事をしながら、悟空が話しかけてくる。
鬼宮「あぁ、もう心配ないだろうな。だが、念には念を入れて、封印護符は作り置きしておくがな」
紅い月の浮かぶ夜に5人揃っての夕食など、ほぼ初めてだった。
八戒「凛華さんの作る護符は、使い捨てなんですか?」
鬼宮「基本、護符と言うのは使い捨ての消耗品だ」
八戒「結構、退治屋と言うのも大変なんですねぇ」
鬼宮「まぁな。退治する妖怪に合わせて備品は変えたりするからな。色んな物を常にコンパクトに持っているな」
悟浄「おい、八戒。今更、俺の凛華ちゃんを横取りする気か?」
八戒と話を弾ませていた鬼宮の肩を抱いて、隣に座っていた悟浄が拗ねる。
鬼宮「悟浄、嫉妬か。はしたない。八戒は知的好奇心を満たしているだけで、俺はそれに応えているだけだ」
悟浄「俺様だんだん、鬼宮ちゃんが俺って言ってる時は甘えてくれないの分かってきたかんな。自分って言う時だけ俺に甘えてくる」
鬼宮「なっ、そんなことはない、ぞ・・・たぶん」
赤面して答える鬼宮に他のメンツはちょっと考える。
三蔵「・・・呼称など、気にしたことなかったな」
悟空「あれ?初めの方に、混ざってた時なかったけ?」
八戒「確か初対面で、悟浄が平手打ちされた時が初めてじゃないですか?悟浄にからかわれた時に、俺と自分が混ざってましたねぇ」
悟空「悟浄が絡むと、呼び方、混ざること多かった気がするけど、なんで?」
真摯な悟空の眼差しに、鬼宮の視線が泳ぐ。
鬼宮「あ、いや、その、く、癖?みたいな?」
悟空「呼び方なんて、そうそう変わらないじゃん。俺が、僕とか言ってるのむずがゆいし、凛華って器用だよなぁ」
鬼宮「器用ってわけじゃなくて、無意識だから、なんとも・・・」
三蔵「・・・ツンデレか」
鬼宮「なんで最高僧がそんな言葉知ってんだよ!」
ダンっと飲んでいたアルコールを置く鬼宮。
基本、彼女の飲み物はいつもアルコールだ。
それなりに強いのか酔った所は見たことはない。
三蔵「そういう性格の奴は、口調をその時の気分で変えると聞いたことがあっただけだ」
三蔵も酒を煽りながら話す。
鬼宮「悟浄、この最高僧の知識はどうなってるんだ」
悟浄「さぁ、俺様も最高僧様の考えてることだけは、いつもわかんねーんだわ」
悟浄も酒を煽りながら、答える。
その腕は、鬼宮の肩にかけられているが、本人は払う様なことは事ない。
別に構わないと、受け入れているようだった。
周りの三人も今朝の事を見ているので、特段追及はしない。
悟空「そう言えば、凛華って普通に酒飲んでるけど、歳いくつなの?今まで気にしてなかったけどさ」
悟浄「おい、能天気猿!レディにそういうこと聞くもんじゃねーよ」
鬼宮「別に構わん。今年で22だ。退治屋は12で独り立ちするからちょうど十年か。長いようで短かった気もするな」
八戒「妖怪退治屋と言うのは、そんなに早く親から離れる物なのですか?まだ子供じゃないですか?」
鬼宮「子供の内に痛い目見ておくもんなんだよ。訓練自体は、5歳から始まるし、親も狩りを続けながら子育てと生計の維持があるから7年が教育期限の限度なんだ。親も子供を独立させた後も活動していくことを考えると二十歳まで養ってられないと言うのが、現実だな」
悟空「なんつーか厳しいのな。凛華もそうなんだ?」
鬼宮「俺は一座の中で育ったから、一人でやって来てる奴よりは楽してるよ」
そんな他愛のない会話をしながらも、紅い月の夜に談話会ができるのは、一行に取ってとても有意義な時間となった。
もちろん、その日の夜、悟浄と鬼宮が二人きりの部屋で、体を重ねたのは言うまでもない。