紅と藍の別れ?
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鬼宮「えっ、あー、それは考えてもなかったな。確かに、半妖は半分は妖怪だから妖力はあるわけだし、それを応用して影使いになれる可能性もなくはないが・・・悟浄、試してみるか?」
悟浄「はぁ?なんでそうなるんだよ。第一、俺様が影使いになった所で何の利点があんだよ」
さも面倒だと言う態度で告げる悟浄に、八戒が口を開く。
八戒「今の所、昨日凛華さんが話していた幻術師に対抗できるのは彼女だけですが、悟浄が影を操れるようになったら対抗策が増えるかもしれませんね。凛華さん、申し訳ないですが、まだ次の町に着くまで時間あるんで、悟浄にご指導お願いできませんか。三蔵もその方がいいですよね?」
車を走らせながらニッコリと満面の笑みを浮かべる八戒。
悟浄「八戒、俺で遊んでない?」
八戒「そんなことないですよ。昨日の凛華さんから聞いた幻術師の話と、今の話を総合すると、対抗できる戦力は多い方がいいと思いまして。三蔵はどう思います?」
三蔵「フン、勝手にしろ。俺に害がなければ、それでいい」
八戒「だそうですよ。頑張ってくださいね。悟浄」
悟浄「簡単に言ってくれるじゃねーの。俺は八戒みたいに気功とか全然使えないんですけど?」
鬼宮「悟浄、影使いは気功ほど難しくない。あれは気を感じ取って集約し目に見えるように具現化する技だ。適性がないと習得は難しい。一方、影はいつでも見えるからな。感じ取るだけでいい。影を単なる影だと思わずに黒い布だと思えばいいんだよ」
悟浄「凛華ちゃんも、簡単に言ってくれるじゃないの」
三蔵「なんだ。やる前から逃げ腰か、エロ河童」
悟浄「んだとぉ?俺様を舐めるなよ!凛華ちゃん、よろしくな!」
三蔵に煽られて、売り言葉に買い言葉の勢いで悟浄は、鬼宮に教えを請う。
鬼宮「まぁ、本人のやる気がないとできないからな。まずは、影の基礎知識からか」
こうして次の町まで鬼宮による影使いへの講座が開かれることになった。
生徒は悟浄だが、協力ということで悟空も巻き込まれている。
後部座席で奇妙な講義が小一時間ほど続いた頃、砂漠の中に森が現れる。
鬼宮「あー、そろそろ、ちょうどいいだろう。悟浄、あの森の木々の影を何かの形にしてみろよ」
鬼宮が森の影を指さして、やってみろと指示を出す。
悟浄「いやいや、しょっぱなで、あの森の規模から、形造るのは無理っしょ!」
鬼宮「でも、理論の説明は理解できたし、簡単に悟空の影をシートから剥がすことは出来ただろうが」
悟浄「それ、数ミリだけだから!数ミリ、本来の影の位置からずらせただけだから!」
鬼宮「小一時間の講義でそれだけできれば、後は実践を積むだけだ。影の形変化は基礎の二番目だぞ。これが出来ないと影使いになれないぞ?それとも、少し遠すぎるか?八戒、スピードあげて。出来る限り森に近づいたら一度止まって。影使いの練習する」
八戒「はいはい、悟浄良かったですねぇ。教育熱心な先生に教えてもらえて」
朗らかな笑顔で笑う八戒に、鬼宮が答える。
鬼宮「悟浄は呑み込みが早い。後は本当に回数を重ねるだけだよ。形の変化が出来たら、昨日俺がやったみたいに影反転もできるし、影での感覚共有も出来るし、下手したら、旨く化ければ回復役にもなれるぞ」
悟浄「自分の生命力を相手に分け与えるって奴だろ?それ、さっき秘儀だって言ってなかった?」
鬼宮「影を通して、自分の生命力を相手に送りすぎれば自分も死んでしまうから、秘儀だと教えたんだ。適度に調節すれば、傷を塞ぐこともできる」
八戒「回復役が増えるのは嬉しいですねぇ。今の所、僕しかそれができなくて、困ってたんですよ」
鬼宮「それは大変だな。この人数で3人負傷したら一気に負担が八戒に回るのはキツイな。俺も努力しよう」
八戒「それはすごく助かります」
悟浄「俺を置いて、そういう話を進めるなぁ!」
鬼宮「悟浄はまず、影変化の習得からだ。木の影の形を、丸とか四角とか好きなように変えれるようになったら次を教えよう」
悟浄「凛華ちゃん、意外とスバルタね」
こんな他愛のない会話をしていれば、森に到着する。
そして、悟浄の影使いへの修行が始まったわけだが、これと言って目立った成果は得られず、とりあえず、森を抜けて町に泊まる事となったのだった。