【第19章〜ヘブラスカの間にて〜】
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そそくさと逃げるコムイの後を、化学班メンバーが亡者の如く追いかけるのを見送った2人は、ため息をついて、早々に食堂へと向かった。
そしてジェリーと対峙した瑠璃は、本能に従い、一歩後退った。
「待ってたわよ~ん、クロウリーと新人ちゃん達っ!あら、一人は寝ているのね?可愛い寝顔〜!」
「椿に触るな。それより肉を寄越せ。肉」
「あらん、素敵な低音ボイスね! あなた、イケメンになれるんでしょ?見せて頂戴よ〜」
「獣人型は飯が食いにくいから、ヤダ」
「ヤダだってっ!かーわいい〜!」
くねくねと身体をくねらせながら、なんやかんやと声をかけるジェリー。怖い、というには少し違うが、グイグイ来る強さには、瑠璃も一歩引いていた。
(やはり、初めて見た時は威圧感があるのだな......)
そんな彼を見ながら、クロウリーは自分と同じ事を思っているであろう瑠璃に苦笑いを零す。それでも、彼の料理はとても美味しいのだから、凄い。
「じゃ、まずは食事ねん?ミランダから頼まれて、イケメンくんには特別メニューを準備してるのよ〜!クロウリーの分も作ったから、たくさん食べなさいよっ」
そう言った次の瞬間。
ドン、とカウンターに置かれた皿に、瑠璃の目が見開かれる。漂う肉の香りに、ジュルリと涎が口の中で溢れて来た。
「瑠璃、すまないが椿を支えていてもらえるか?」
「あぁ」
ジェリーの料理を受け取るため一度降りたクロウリーは、獣人型へと変化した瑠璃に熟睡中の椿を授けた。クロウリーの見よう見真似で抱きしめると、それを見たジェリーが歓喜に顔色を染め上げた。
「あんらぁ〜!すっごいイケメンじゃなぁい! スペシャル料理、席まで持っててあげるから行きなさいな♪」
「クロウリー。こいつも、怖い」
「慣れればどうってことないである」
ジェリーの熱い視線に身震いする瑠璃。その様子にクロウリーは苦笑いをし、更に言葉を続けた。
「だが、ホームは心の温かい人が多いである。さぁ、お言葉に甘えて、席に行くである」
クロウリーの言葉に、瑠璃は首を傾げながら、歩き出した。
(心の、温かい人間......)
椿のような人間、という事だろうか? 瑠璃には、“冷たい人間”、“温かい人間”の区別があまりない。その分、“好き”か“嫌い”かというのははっきりしているのだが、そこはまあ、獣であるという感覚の内なのだろう。