【第18章〜治療を経て〜】
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着替えた俺の全身を見て、満足そうに笑った婦長は、部屋の外へと声をかけた。
「クロウリー、そこにいるわね」
「っ!、ば、バレていたであるか......」
「着替えたばかりのコートが、丸見えよ」
「うっ......べ、別に覗こうとしていたわけじゃっ、!た、ただ立てないであろうと、手伝いに戻って来ただけで、」
「わかってるわよ。虎の子もいらっしゃい。椿ちゃん、立てる?」
「ああ。..................たぶん」
「随分長い間ね」
苦笑いを浮かべる婦長と、ゆっくりと戻ってきた瑠璃の助けを借りて、地面へと足を伸ばした。
体の感覚が、少し遠い。靴を履いて、立ち上がろうとし――――ぐらり、と体制が崩れる。
「危ない!」
ぼすん、と音が立ち、クロウリーに受け止められる。固い胸板が頬にあたる。支えられた事で、抱き締める形になってしまったらしい。
「ごめん、クロウリー。ありがとう」
「そのまま支えてなさい、クロウリー。瑠璃、椿ちゃんを乗せられる?」
「任せろ」
婦長の指示でクロウリーに受け止められた俺は、虎姿の瑠璃の背に預けられた。瑠璃の尻尾が背中を支えてくれ、無事に彼の背中に座われた。
短いスカートでは跨るわけにもいかないから、横座りの姿勢だ。
「すまない。他に乗せ方がなくて......大丈夫であるか?」
「大丈夫だ。......悪いな」
「このくらいどうってことないである」
にこっ、と不器用に笑うクロウリーに、ほっとする。......起きてからというもの、迷惑ばかり掛けてしまっているが、どうやら彼はそこまで気にしていないらしい。
(......なんかむず痒いな)
そう思った――刹那。
バァン、と高らかに響いた扉の音に、俺は視線を扉へと向ける。
両手を広げ、全身で“扉を開けました!”と言っている彼は、なんと言うか......強烈な印象を持っていた。
「コムイ室長、医務室では静かに!」
「ごめんごめん。つきみ?ちゃんが起きたって教えてもらえたから、つい、ね?」
「ついじゃないですよ。あと椿ちゃんです」
もう、と腰に手を当てる婦長に、飛び込んできた男――不審者は、カラリと笑った。その後ろに、ミランダが心底申し訳なさそうな顔をして立っている。
......まあ、それはいい。きっと知り合いなのだろう。それはいい、――が。
「......なんで、ドリルとヘルメット被ってんだ?」
「ヒィッ!」
「うぐっ、!?」
珍妙な男の格好に、思わずツッコみを入れたら、唐突にクロウリーが抱きついてきた。首が強く締められる。これは......まずいぞ。
「く、くろ、りー、」
「離してやれ、クロウリー。でないとそやつ、死ぬぞ」
「っ!、す、すまないっ!」
背後から聞こえた声に、クロウリーに締められた首が、開放される。
けほ、と咳込めば、瑠璃の尻尾が宥めるように頭を撫でてくれた。......器用だな。
というか、話しかけてきたのは誰だ。