【第13章〜解放〜】
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「――行くぞッ!」
そう合図したのは、クロウリーか、それとも椿か。瑠璃かもしれない。
誰だかも付かない声に、三人は一気に空へと飛び立った。
――戦闘、開始だ。
ドォン、ドォン。
爆発音がそこかしこから聞こえる。
「今宵も貴様らの血を全て飲み干してやる!」
運命を背負った吸血鬼が、高らかに月へと叫ぶ。
「散れッ!!」
死神に愛された人間が、弓を引く。
「邪魔だ」
呪われた虎が、牙を立てる。
ぶっくりと太ったアクマ達は、黒い時計に見守られた戦士たちの力に次々に敗れ、惨めにも塵と化していく。
その様子を見ていたのは――レベル3と言われるアクマだった。
「強いのがいる。構えろッ!」
瑠璃の言葉に、残ったアクマを倒した椿とクロウリーが、身構える。
三人の目の前に出て来たのは――――全身を白い鎧に包んだような、けれど潔白さは全く感じないアクマの姿だった。
「あーぁ。せっかく連れてきたレベル1なのに、壊されちゃったな。やっぱ雑魚はダメだダメだ。ってことで、俺と遊ぼうぜ」
ニヤァ、と笑みを浮かべるアクマの顔に、ゾクリと三人の背中を悪寒が這う。しかし、固まっている時間は無かった。
レベル3のアクマが、唐突にカラフルなボールを幾つも出現させ、全力で投げつけて来た。
「任せろッ!」
剛速球ともいえる球に椿が弓を引き、全て撃ち落としていく。素晴らしい動体視力に賞賛を送りたくなるが、アクマはただ愉しそうに笑みを浮かべるだけだった。
アクマの視線が椿に集中しているのを見計らい、クロウリーと瑠璃が攻撃するために飛び掛かった。
宙を舞うレベル1のアクマを薙ぎ払い、爆発音が夜の空に響いた。
「バーカ!まだまだ、終わってないぜェ!」
高らかに声を上げるアクマに、破壊されたボールがぱっかりと割れ、ネット状に広がったかと思うと、着地直後のクロウリーと瑠璃に降り注いだ。粘着質なネットが、2人の体に絡みついて、離れない。
「な、なんだこれはッ!」
「力がッ、抜けてく......ッ!」
どうにか出ようとして、もがけばもがくほどネットが絡みついてくる。
中から引きちぎろうと指をかけるが、どれだけ力を入れても、引き裂ける気配がない。
「無駄無駄ァ!そのネットは俺の能力――イノセンスの力を吸って、ネットはより強く貴様らを絡め取るんだ!」
フヒヒヒ、と気色悪い声を上げるアクマに、椿は一つ舌を打つと、全力でその中心で両手を握るミランダに走り寄った。
「ミランダ。大丈夫、か?」
「っ! 椿ちゃん!」
椿の声に、ミランダが顔を上げる。その瞬間、落ちてくるネットを、椿がその身で受け止めた。じゅわ、と何も焼けていないのに、焼けたような音が2人の間に響いた。
(クソッ!)
やらかした、と思ったところで、後悔は先には立たない。
「はは、遠距離系が捕まってちゃ何もできないよな?さーて、どいつから殴り殺してやろうか?」
地面に降り立ち、舌舐めずりするレベル3を見据えて、その場にいた全員が思考をフル回転させていく。
何か妥協策は。このままでは全滅してしまう上、ミランダのイノセンスの能力が根こそぎ吸い取られて行ってしまう。――どちらにしろ、時間が経てば経つほど不利になるのは間違いなかった。