【第13章〜解放〜】
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「...............椿?」
「瑠璃さん?」
「.........」
深い眠りに居たはずの瑠璃が、ふと目を覚ます。彼が起きた事に気づいたミランダの声に応えることなく、顔を上げて耳を動かす。
先程いたはずの場所へと視線を向ければ、そこに目当ての姿はなかった。
(――もしかして)
そう思った瞬間だった。
「きゃっ!」
「ミランダ!」
グワンと動き出した地面に、その場にいた全員が驚愕を浮かべる。何が起きているの、と口にする前に、天井が崩れてきた事に気が付いたクロウリーが、二人を守るように覆いかぶさった。
砂埃を立てて、瓦礫が次々と落ちていく。揺れは収まらず、崩壊が続くのを見て、クロウリーは声を張り上げた。
「外へッ!」
「ええ! 瑠璃さん、動ける?」
「問題ない」
ミランダの問いかけに、瑠璃は頷きながら二人と共に外へと向かう。崩れていく階段を駆け上がり、地上へと足を踏み出した瞬間、崩れかけていただけの館は一瞬にしてその姿を失った。......これで地下のスペースは完全に崩れ去ってしまった。――もしあと少し遅かったら。
そう考えると、ゾッとする。
「危なかったである。ミランダ、大丈夫か?」
「え、えぇ」
「――椿ッ!」
「えっ?!」
クロウリーとミランダが互いの安否を確認していれば、突然瑠璃が椿の名を叫び、町の方へ走り出した。あまりの焦り具合に何かがあったのかと考えた所で、瑠璃の走り出した先にアクマの砲撃が降り注いでいるのが見て取れた。
一難去って、また一難。
どうやらこの町に、休息はないらしい。
「待って、瑠璃さん!離れると傷が戻ってしまうわ!」
「ミランダ、行くである!きっと椿は、一人でアクマと戦っている......。椿と合流したら、リバースを解いて、リカバリーをかけ直してほしいである」
「!」
「私が時間を稼ぐから急ぐである!」
「わかったわ、行きましょう!」
早々に打ち出したクロウリーの作戦に、ミランダはハッとすると、コクリと頷いた。
持ち得る速さで瑠璃の背を追いかける二人。
そんな三人の先には、レベル3を囲うようにして展開するアクマの群れと対峙した椿が満身創痍で......けれど勝気に笑みを浮かべ、攻撃を繰り返していた。
「もっと火力を集中させて、オレを楽しませやがれ!」
「うるっさいんだよ、このクソアクマ野郎!」
「ヒッ、ヒヒヒッ!この程度で死ぬなよ、エクソシストォ!」
「俺はエクソシストじゃないっつってんだろッ!」
ビュンビュンと攻撃が宙を飛び交い、アクマの爆発が夜空を切り裂く。
アクマ達の死の砲撃の合間に、いく筋もの光の矢がアクマ達を穿っているのがよく見える。
もう既に最初の時よりも半分以下まで減らされたアクマ達に、戦場の有利は明らかである。――しかし、それが勝敗に必ずしも紐づけられるとは、限らないのだ。