【第7章〜瑠璃の想い〜瑠璃語りシーン】
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それから、椿は宣言した通り、「やれることはやる」と言って努力をし続けた。
光る弓を早く扱えるよう、毎日的に向かって打ち、体を鍛えることも欠かさない。大人にも負けないと、本を読んだり、何かを書いたりと、入れられる知識をどんどん吸収していった。
それから1年。
成長した椿は、見回りだと言って、建物を抜け出す事が多くなった。興味本位でついていけば、一人で町を歩き、人間達と話しては何かを一緒に考えたり、探したり、手伝ったりしている。
それが何の為になるのかは分からなかったが、その度に椿は「社会勉強ってやつ」と言っていた。まあ、椿がやりたいのなら止めはしないが、他人のために力を尽くすなど......人間のすることはよく分からん。
そんな日が続いた頃には、我は自分の元の姿に戻るコツを覚えていた。
気を抜くと獣人型になってしまう事もあったが、それも数を熟せば慣れてくる。
元の姿で椿と一緒に町を歩いていれば、ふと、人間達がすれ違う度に頭を垂れているのに気がついた。
「椿。あれは、なんだ?」
「あぁ、この町はね、虎が好きなんだよ。守り神なんだって。町の人達は、瑠璃を傷つけないから安心して」
優しく笑う椿に、我は町の人間とやらを振り返る。......確かに、敵意も悪意も感じたことは無い。
(......意味がわからんな)
何かを信じたところで、腹が脹れるわけでも、病が治る訳でもないだろうに。
そう思ってはいたものの、......やはり気になるものは気になる。
我はよく分からない出来事やものを目の前にすると、椿に尋ねていった。それは人間の行動であり、人間の持つ物であったり。
大きな人間は“大人”といい、オスとメスは人間では“男”と“女”で区別しているらしい。その枠に当てはまらない者もいるみたいだが、自然界においてそんなのはよくある事だし、些細なことは気にすることではない。
そう言えば椿から、『番いの事を、“恋人”や“夫婦”というのだ』と教わった。二つの違いはよく理解できないが、我が椿に抱くのは、番いの相手に向ける感覚とは別のものだと、認識した。幼すぎることもあるが、椿から聞いた感情とはまた違うものだったのが、決定打だった。
それよりも驚いたのは──人間は肉を焼かないと食べられない事だ。
生肉じゃダメなのかと聞いたが、お腹を壊してしまうらしい。......面倒な生き物だ。