【第6章〜別行動〜】
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「イノセンス、発ど、」
「──ミランダ、椿を追ってくれ」
ミランダの詠唱が、第三者によって遮られる。
出現しかけた円盤は、姿を見せることなく宙で霧散した。
聞き覚えのある声に、ミランダとクロウリーは驚いて彼へと視線を向けた。
いち早く気がついたクロウリーが、声を上げる。
「瑠璃!」
「あいつは、すぐ無茶をする、から」
「で、でも私、瑠璃さんにリカバリーをかけてあげたいんだけれど......」
瑠璃の言葉に、ミランダがおずおずと返す。
瑠璃色に輝く瞳が、ミランダを捉えた。
「我より、椿の心の時間を......あの子の心は、その力で救う事は出来ないのか......?」
瑠璃の言葉が、ミランダの心に突き刺さる。彼の要求は、彼女の心を治すために、彼女の中の時間を1度抜き取って欲しいということだった。
時間を抜き取ることは可能だ。......けれど。
「......ごめんなさい。私の力は、治すためのものじゃないの。仮初の......時間稼ぎの力なのよ。心を治すことは出来ないの。......役に立てなくてごめんなさい」
「......そうか。いや。変な事を、聞いた」
謝るミランダに、瑠璃は瞳を閉じて『気にするな』と意思表示をした。
その様子を見ていたクロウリーが、ミランダへと視線を向ける。
「......ミランダは、椿を追って欲しいである。瑠璃は私が見ているから大丈夫である」
「で、でも私っ、」
「行くである、ミランダ。今椿は1人である。そして......彼女をよく知 っているのは、彼である」
クロウリーの言葉に、ハッと息を飲むミランダは、慌てて立ち上がると今度はしっかりと頷いた。
「わかったわ。行ってくるわね」
「頼むである」
「頼んだ」
2人の励ましを背に、ミランダは椿の後を追った。既に見渡す限り彼女の背中は見えなかったが、ミランダは今まで得たこの町の地形と直感を元に、走り出した。
(迷うかもしれない。......でも、立ち止まってるよりはマシよね)
ミランダはそう心に言い聞かせると、月の沈みかけた空の下を走っていく。
凛々しくも、まだうら若き、優しい背中を探して──