死んだ町に居座る適合者
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俺がここの祭壇から、祀られてた家宝に触ってこの身に宿したのは子供の頃で。
特に変わったことはすぐには起きなかった。
虎と生活するために、この町では幼い頃から弓道を習わせていた。
俺も小さい頃から弓に親しんでたから、このリングから流れてくる力に意識を合わせれば弓になった。
それを見た父さんは、俺に神の加護が宿ったと喜んでた。
ただ、俺の母さんは少し気の弱い人でな。
俺が家宝に触れて、祭壇の役目をなくしてしまったから、祟りが起こるんじゃないかと、心の病になった。
信仰心からくる恐れと、気を張りすぎる心配症の人だったから、日に日に食も細くなっていって伏せりがちになった。
医者に診てもらっても回復の兆しは見えず、ついにある日、息を引き取った。
母さんの死に心を痛めた父さんは、千年伯爵に目をつけられたんだ。
その夜は、いつものように瑠璃が町の見回り散歩に出かけてて。
母さんを失ったショックで寝付けなかった俺は1人で屋敷をうろついてた。
話し声が聞こえたと思って、母さんが息を引き取った部屋を覗いた。
父さんが見たこともない黒い機械と向かいあっていた。
「父さん、それ何?」
「おやおや、ここにも、強い魂の繋がりを持つものがいましたか。お嬢さん、お母 さんに会いたいですか?」
父さんの隣にシルクハットをかぶった太った男がいた。
風船を思わせるようなぷっくりとしたシルエット。
尖った耳と異常に大きく真っ白な歯。
人の良さそうな声色だった。
「ソレが、母さんになるの?」
「えぇ、そうですよ。魂の強い繋がりのある人間が死者の名前を呼べば、お母さんは生き返りますよ?さぁ、会いたいでしょ?」
「…父さんは、機械の母さんを愛せるの?」
その時話したデブが千年伯爵だと、他の黒服から聞かされた。
俺の一言に、父さんは固まった。
神の加護を受けた娘が、自身の妻の命を奪った原因なのは父さんも理解してたと思う。
「人間の母さんは死んじゃったから、その機械を愛するの?そんな黒くてキミの悪い機械に母さんを縛りつけるなんて、人のすることじゃない。そんな父さんは、嫌い」
俺は家宝のリングに意識を集中して弓に変化させた。
父さんは不気味な機械の前に立ちはだかり、見たことないひどく焦った顔で、俺に弁論してきた。
「神から授かりし力で、人間を殺そうというのか?椿よ。父さんは母さんに生き 返ってほしくてだな」
「ほぉ、これはイノセンスですか。さて、お嬢さん?まさか生きてる父親もろとも、吾輩の愛おしいアクマのボディを壊すつもりですか?」
「…今まで的を打つことしか役に立たなかった、この弓の存在理由が今わかった。 死んだ人間は蘇らない。そんな不気味な機械に母さんを呼び戻せたとしても、生前と同じになるはずがない。父さんが守りたいならソレを守ればいい。力がその機械を壊せと疼く。避けないなら、貫くだけ」
「この子、どういう育て方したらこんな歪んだ性格になるんですかねぇ?」
張り詰めた空気の中で、つまらなそうに千年伯爵がカボチャのついたピンク傘を振り回した。
「どっちでもいいんですけどねぇ。早くあの世から魂を呼び戻してもらえま すぅ?」
「母さんの眠りを邪魔したくない。辛い最後だったから安らかに眠ってて欲しい。父さんどいて。その機械ごと、そこのデブも追い払えば少しは正気に戻るでしょう?」
「失礼な子供ですね。私は千年伯爵。悲しい別れをした者達の所へ赴き、死者と生者を引き合わせてあげるお手伝いしてます❣ 」
「人の悲しみを利用して、その黒い機械で何をするつもりだ?」
「ふふ、それを話したら契約成立しないんですよねぇ。さぁ、早く生き返ってほしいでしょ?心の底から名前を呼びなさい!」
痺れを切らした千年伯爵が父さんに迫る。
気迫に押されて声を出すのを躊躇う父さんを無視して俺は矢を打ち込んだ。
魂の入る前の黒いボディが爆発して煙が周囲に溢れる。
心臓を貫かれた父は、息も絶え絶えで手を伸ばしてきた。
「…バケ、モノ」
それが父の最後の言葉だった。
「あららー、アクマを作らせないために生者をイノセンスで殺すなんて、飛んだ鬼畜ですねぇ。子供でも立派な殺人です」
「あの暗い機械に母さんの魂をいられる方が不快だ。お前があのボディを作ってるなら、敵と認定する」
「貴女は危険ですね。悲劇の死を遂げた魂と魔導ボディ材料に、アクマは作られる。今後邪魔されても困りますから、貴女にはここで死んでもらいましょう☆」
千年伯爵の合図で、屋敷の外に大量のボール状の機械が現れた。
驚いて俺が怯んだ短い時間に、外にいた瑠璃が駆けつけてくれて、ソレらを一掃し た。
「イノセンスがもう一つありましたか。今は忙しいんですよねぇ。また適当にお相手してあげますよ。今晩は失礼しますね。もう二度と会わないと思いますけど♪」
ふざけたような動作でお辞儀をして闇夜に姿を消した
千年伯爵。
その日から、町に異変が増えた。
衣服だけ残して人が消える事件が多発した。
見回り回数を夜だけでなく昼もやることにした。
町の人間は瑠璃が見回りをすることで安堵はしたが事件は減らなかった。
「なぁ、瑠璃。千年伯爵は...アクマの材料は悲劇の死を遂げた魂と、魂と強い繋がりのある者の呼び声で、ボディに死者の魂を呼び戻してアクマを作るんだよな?」
両親を失った俺には、瑠璃しか話し相手がいなかった。
「…もし、さ。人間そのものがいなくなったら、アクマは製造されなくなるんじゃないか?」
「人を殺すのは、すすめない」
「この家で、俺は疫病神扱いだった。俺がこのリングに触らなければ、母さんが死 ぬこともなかったし、父さんも機械を愛そうなんて馬鹿な考え起こさなかったと思う。もしこの町にアクマが潜んでるなら、それを全部倒して…関係者も全て洗おうか」
「人を殺すの、よくない。我を大事にしてくれた」 「アクマの材料がなくなれば少なくてもこの町からアクマはいなくなる。そしたら瑠璃と静かに暮らせる」
瑠璃の忠告も俺の心には届かなかった イノセンスで父を殺した俺は、人としての倫理観も俺がここの祭壇から、祀られてた家宝に触ってこの身に宿したのは子供の頃で。
特に変わったことはすぐには起きなかった。
虎と生活するために、この町では幼い頃から弓道を習わせていた。
俺も小さい頃から弓に親しんでたから、このリングから流れてくる力に意識を合わせれば弓になった。
それを見た父さんは、俺に神の加護が宿ったと喜んでた。
ただ、俺の母さんは少し気の弱い人でな。
俺が家宝に触れて、祭壇の役目をなくしてしまったから、祟りが起こるんじゃないかと、心の病になった。
信仰心からくる恐れと、気を張りすぎる心配症の人だったから、日に日に食も細くなっていって伏せりがちになった。
医者に診てもらっても回復の兆しは見えず、ついにある日、息を引き取った。
母さんの死に心を痛めた父さんは、千年伯爵に目をつけられたんだ。
その夜は、いつものように瑠璃が町の見回り散歩に出かけてて。
母さんを失ったショックで寝付けなかった俺は1人で屋敷をうろついてた。
話し声が聞こえたと思って、母さんが息を引き取った部屋を覗いた。
父さんが見たこともない黒い機械と向かいあっていた。
「父さん、それ何?」
「おやおや、ここにも、強い魂の繋がりを持つものがいましたか。お嬢さん、お母 さんに会いたいですか?」
父さんの隣にシルクハットをかぶった太った男がいた。
風船を思わせるようなぷっくりとしたシルエット。
尖った耳と異常に大きく真っ白な歯。
人の良さそうな声色だった。
「ソレが、母さんになるの?」
「えぇ、そうですよ。魂の強い繋がりのある人間が死者の名前を呼べば、お母さんは生き返りますよ?さぁ、会いたいでしょ?」
「…父さんは、機械の母さんを愛せるの?」
その時話したデブが千年伯爵だと、他の黒服から聞かされた。
俺の一言に、父さんは固まった。
神の加護を受けた娘が、自身の妻の命を奪った原因なのは父さんも理解してたと思う。
「人間の母さんは死んじゃったから、その機械を愛するの?そんな黒くてキミの悪い機械に母さんを縛りつけるなんて、人のすることじゃない。そんな父さんは、嫌い」
俺は家宝のリングに意識を集中して弓に変化させた。
父さんは不気味な機械の前に立ちはだかり、見たことないひどく焦った顔で、俺に弁論してきた。
「神から授かりし力で、人間を殺そうというのか?椿よ。父さんは母さんに生き 返ってほしくてだな」
「ほぉ、これはイノセンスですか。さて、お嬢さん?まさか生きてる父親もろとも、吾輩の愛おしいアクマのボディを壊すつもりですか?」
「…今まで的を打つことしか役に立たなかった、この弓の存在理由が今わかった。 死んだ人間は蘇らない。そんな不気味な機械に母さんを呼び戻せたとしても、生前と同じになるはずがない。父さんが守りたいならソレを守ればいい。力がその機械を壊せと疼く。避けないなら、貫くだけ」
「この子、どういう育て方したらこんな歪んだ性格になるんですかねぇ?」
張り詰めた空気の中で、つまらなそうに千年伯爵がカボチャのついたピンク傘を振り回した。
「どっちでもいいんですけどねぇ。早くあの世から魂を呼び戻してもらえま すぅ?」
「母さんの眠りを邪魔したくない。辛い最後だったから安らかに眠ってて欲しい。父さんどいて。その機械ごと、そこのデブも追い払えば少しは正気に戻るでしょう?」
「失礼な子供ですね。私は千年伯爵。悲しい別れをした者達の所へ赴き、死者と生者を引き合わせてあげるお手伝いしてます❣ 」
「人の悲しみを利用して、その黒い機械で何をするつもりだ?」
「ふふ、それを話したら契約成立しないんですよねぇ。さぁ、早く生き返ってほしいでしょ?心の底から名前を呼びなさい!」
痺れを切らした千年伯爵が父さんに迫る。
気迫に押されて声を出すのを躊躇う父さんを無視して俺は矢を打ち込んだ。
魂の入る前の黒いボディが爆発して煙が周囲に溢れる。
心臓を貫かれた父は、息も絶え絶えで手を伸ばしてきた。
「…バケ、モノ」
それが父の最後の言葉だった。
「あららー、アクマを作らせないために生者をイノセンスで殺すなんて、飛んだ鬼畜ですねぇ。子供でも立派な殺人です」
「あの暗い機械に母さんの魂をいられる方が不快だ。お前があのボディを作ってるなら、敵と認定する」 「貴女は危険ですね。悲劇の死を遂げた魂と魔導ボディ材料に、アクマは作られる。今後邪魔されても困りますから、貴女にはここで死んでもらいましょう☆」
千年伯爵の合図で、屋敷の外に大量のボール状の機械が現れた。
驚いて俺が怯んだ短い時間に、外にいた瑠璃が駆けつけてくれて、ソレらを一掃し た。
「イノセンスがもう一つありましたか。今は忙しいんですよねぇ。また適当にお相手してあげますよ。今晩は失礼しますね。もう二度と会わないと思いますけど♪」
ふざけたような動作でお辞儀をして闇夜に姿を消した。
千年伯爵 その日から、町に異変が増えた。
衣服だけ残して遺体が消える事件が多発した。
見回り回数を夜だけでなく昼もやることにした。
町の人間は瑠璃が見回りをすることで安堵はしたが事件は減らなかった。
「なぁ、瑠璃。千年伯爵は...アクマの材料は悲劇の死を遂げた魂と、魂と強い繋がりのある者の呼び声で、ボディに死者の魂を呼び戻してアクマを作るんだよな?」
両親を失った俺には、瑠璃しか話し相手がいなかった。
「…もし、さ。人間そのものがいなくなったら、アクマは製造されなくなるんじゃないか?」
「人を殺すのは、すすめない」
「この家で、俺は疫病神扱いだった。俺がこのリングに触らなければ、母さんが死 ぬこともなかったし、父さんも機械を愛そうなんて馬鹿な考え起こさなかったと思う。もしこの町にアクマが潜んでるなら、それを全部倒して…関係者も全て洗おうか」
「人を殺すの、よくない。我を大事にしてくれた」 「アクマの材料がなくなれば少なくてもこの町からアクマはいなくなる。そしたら瑠璃と静かに暮らせる」
瑠璃の忠告も俺の心には届かなかった。
イノセンスで父を殺した俺は、人としての倫理観も壊れたらしい。
それからはアクマになった奴らとその親族を1人残らず殺していった。
イノセンスを使うこともあれば、そこらの道具で殺したこともあったな。
人間さえいなくなれば、アクマは作られない。
そう思ってた。
殺人を繰り返す俺自身から逃れようとした町の人間も殺した。
逃げてく人間の中にアクマがいるかもしれなかったから、全てこの弓で殺したんだ。
町の人間を全て殺し終えた頃、外からアクマがやってくるようになった。
千年伯爵が俺と瑠璃のイノセンスを狙って壊しにきたんだろうよ。
人が死滅した町だからな。
建物壊すのに躊躇いもなく、町はあっという間に瓦礫の山と化した。
これがこの町が死んだ理由であり、同時に俺がエクソシストに向いてない理由だ。
アクマを作らせないために、町の人間残らず殺した殺人鬼なんて、この町から出たら、何人の人間を殺すことやら。
今は後悔しているよ。
短絡的な考えだったと。壊れたらしい。
それからはアクマになった奴らとその親族を1人残らず殺していった。
イノセンスを使うこともあれば、そこらの道具で殺したこともあったな。
人間さえいなくなれば、アクマは作られない。
そう思ってた。
殺人を繰り返す俺自身から逃れようとした町の人間も殺した。
逃げてく人間の中にアクマがいるかもしれなかったから、全てこの弓で殺したんだ。
町の人間を全て殺し終えた頃、外からアクマがやってくるようになった。
千年伯爵が俺と瑠璃のイノセンスを狙って壊しにきたんだろうよ。
人が死滅した町だからな。
建物壊すのに躊躇いもなく、町はあっという間に瓦礫の山と化した。
これがこの町が死んだ理由であり、同時に俺がエクソシストに向いてない理由だ。
アクマを作らせないために、町の人間残らず殺した殺人鬼なんて、この町から出たら、何人の人間を殺すことやら。
今は後悔しているよ。
短絡的な考えだったと。